ほとんどはアルバイトによる犯行!? コンビニ万引きの実情
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ほとんどはアルバイトによる犯行!? コンビニ万引きの実情 – Business Journal(11月11日)
コンビニ歴21年・バイヤー歴15年の筆者がコンビニを選ぶ視点からお得情報、裏ワザまでを伝授!バックヤード事情を見れば毎日の生活が変わる――?
<今回のテーマ>コンビニと万引き
『北の国から2002遺言』(フジテレビ)で、コンビニでバイトする内田有紀演じる結ちゃんが、お客さんの吉岡秀隆演じる純君に廃棄前の弁当をこっそり渡す……そんなシーンをご存知だろうか?
北の大地で孤独に暮らす二人の心に、ほのかに点った恋が垣間見られる良シーンなのだが、実はこれがコンビニでの万引きを最も現わした場面なのだ。今回はそんな、コンビニで最も多く行われる犯罪・万引きについて紹介していこう。
●万引きの9割は内部犯 その手口とは?
まず平均的に、コンビニの商品ロス(商品が売れた記録がないのに在庫が無くなっている状態)の9割は、内部のアルバイト店員に原因があるといわれる。そしてそれらは、商品の検品ミスなどではなく、内部人員による万引きだというのだ。
「商品をこっそり持ち帰る」のは当然NGだが、「からあげやポテトフライの揚げ物をひとつ多く揚げてしまったので、それを食べてしまう」「友達に陳列期限が切れた廃棄商品をあげてしまう。もしくは自分で持って帰る」なども内部万引きとなる。
さらに悪質な「レジから金を抜く」という犯行もあるが、アルバイト交替時にレジ精算を実施するので、誤差が発覚する可能性が高いため、あまり一般的ではない。それでも、会計時にお金を受け取った後、レジの取消キーを押して清算を取り消し、お客さんから預かった売上金をポケットに入れるといった、手の込んだ手口を使う場合もある。これは、単品で買われ、つり銭の端数が出ず、内税で消費税の計算をしなくていい雑誌やタバコの会計時に行われる場合が多い。この方法は、お客が複数の商品を購買した場合には、多少手間がかかるが、売り上げをたてた後で、商品の返品処理を架空でして、金を万引きするという大胆な手口もおこなわれている。
特にタバコは、従業員による不正な万引きが横行している。タバコは、店舗が受ける利益が10%しかなく、また、店舗の売上構成の約30%をしめる主力商品なので、1カートン万引されると、売上損失としても大きい。当然、店舗ではタバコの在庫管理表をつけているが、アルバイトが在庫管理表を自ら記載する場合があるのと、管理する品揃え数及び在庫数も多いため、たばこの内部万引きの管理が、コンビニ万引きで一番の重点ポイントと考えられる。
●防犯カメラは必ず見ている!
このようにコンビニではさまざまな場面で万引きが起こっていて、これらの多くは、3カ月に1回程度行なわれる棚卸しで発覚している。商品ロスは、全店で高額に発生している訳ではなく、オーナーの店舗管理能力の低い1割前後の店舗で問題となっている。
万引き発生店舗では、こうした状況の改善と実態調査のため、アルバイト全員を対象に、聞き取りを中心とした個別のロス面談をオーナーやSV(店舗巡回員)が実施している。
なお、この面接を実施すると、店舗で信頼して仕事を任せている、リーダー格のベテランアルバイト主婦や普段はまじめでしつけが行き届いたような学生バイトなど、ビックリするような人が、大胆な不正の告白をすることもある。具体的すぎてここでは明かせないが、実施する側としては、ちょっと人間不信にさえなってしまうようなエピソードが満載だ(苦笑)。
具体的な防犯対策としては、店内に設置された防犯カメラが上げられる。特にレジ周りには注意が向けられているなど、厳しい対策がとられている。防犯カメラの多さについては、コンビニがスーパーなどの小売業態と比較してお客による万引きが少ない要因とも言われている。
また、廃棄商品の持ち帰りへの対策としては、徹底した社員教育しかないのが現状だ。
平均1日1店舗1万5千~2万円分の時間ロスによる廃棄が出ているので、もったいないし、頑張っているアルバイトに還元しても良いのでは……と思われるかもしれない。だが、アルバイトに廃棄をあげると冒頭の北の国からのように、店にある商品が何でもタダであるように感じてしまうため、アルバイト不正の後押しになっていることが、ロス面談などからも発覚しているのだ。
●万引きは犯罪です!
もちろん、少ないとはいえ外部犯(客)による万引きの例も後を絶たない。これらに対しては、商品取り扱いの側でうまく対策をしている事例もある。近頃コンビニ店頭で主流になっているアマゾンやアップルのギフトカードは、店頭に陳列されている時は無価値で、レジでスキャンしたあとに、額面の価値が出るPOSアクティベートという仕組みを取っている。これは万引き大国・アメリカから持ち込まれた仕組みなのだ。
また、単純だが、アルバイトによる大きな声でのあいさつ接客が最も効果的だとも言われている。
近年は、たばこや飲料などカテゴリー別に全ての売上在庫管理が、各チェーンシステムで個店別で出来るようになったため、どのカテゴリーから、商品ロスが出ているか、リアルタイムで把握出来るようになり内部不正は激減した。
防犯カメラの多いコンビニでの万引きは、大きなリターンもない割にリスクが非常に高い。軽い出来心で万引きをしてしまうのかもしれないけど、そもそも万引きは、金額の大小問わず刑法235条の窃盗罪に当たるれっきとした犯罪。こうした犯罪が起きないようにすることは、犯罪者を増さないようコンビニ側も社会的責任として、更なるアルバイト教育と仕組みによる管理徹底が必要かもしれない。
なぜならコンビニでの万引きで。一生を棒に振るなんてことが現実的になってきたのだから。
(文=渡辺広明/流通クリエィティブディレクター)
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