トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > ドラマ『悪夢ちゃん』実は深い?
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第11回

夢か現実か? ウソか本当か? 『悪夢ちゃん』の“自由”な授業

 夢か現実か――。ウソか本当か――。

 真正面から表現することがはばかられるような“真実”を、虚実皮膜の世界の中でフィクションの力を駆使して“教え”ていく。

 そして、先述の第4話冒頭の「『自由』について」の授業をするのだ。この回のラストシーンは、国語の授業だった。宮沢賢治の『雪渡り』でキツネのきびだんごを食べた四郎とかん子に対して、武戸井は「文部科学省がなんと言おうと」と、キツネの紺三郎を信じたからではなくその場の空気を読んだからだ、と独自の解釈で批判する。

「学校は一人ひとりがほかの人間に囲まれて生きている場所です。その場の空気を読むことも、人間に備わった大事な能力です。世の中を生き抜く術としては大事なことです。しかし、いくら空気を読んだとしてもキツネのこしらえたきびだんごを食べるべきではなかったと先生は思います。おおなかを壊す確率はかなり高かった。それでもみなさんは食べますか? それでもそこまで考えて、私は食べるというのなら、それはあなたの『自由』です」

 これを、単なるファンタジーと片付けることは自由だ。けれど、悪夢にその象徴する事象が隠れているように、このドラマから深遠なテーマを読み解くのもまた自由だ。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)

1234
ページ上部へ戻る

配給映画