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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.196

三池監督ならではの“いのちの授業”が始まる! サイコパス教師と過ごす恐怖の文化祭『悪の教典』

akunokyoten.jpg性善説に基づいた学校社会に、もしサイコパスが紛れ込んでいたら? 
貴志祐介の原作小説を、三池崇史監督&伊藤英明主演で映画化した『悪の教典』。

 いつも爽やかな笑顔を振りまく高校教師・蓮実聖司。弁が立ち、行動は機敏。彼が担当する英語の授業は楽しくて、ためになる。生徒はもちろん、同僚である教師たちからの信頼も抜群だ。だが、蓮実先生にはひとつだけ秘密があった。それは生まれつき共感能力のないサイコパスであるということ。その事実に一部の生徒たちが気づき始めたとき、蓮実先生はその本性を剥き出しにする。貴志祐介のベストセラー小説『悪の教典』が、三池崇史監督の手で完全映画化された。超多忙にも関わらず、みずから脚本も手掛けるという熱の入れようだ。そしてサイコパス教師を演じるのは、『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(07)以来の三池作品となる伊藤英明。『海猿』シリーズで人命救助に情熱を注いできた正義のヒーローから一転、自分の秘密を守るためには教え子だろうが恋人であろうが容赦しない最凶のダークヒーローに挑んでみせた。

 舞台となるのは、郊外にある私立高校。英語教師の蓮実聖司(伊藤英明)は端正なマスクと明るい性格から、生徒たちから「ハスミン」の愛称で親しまれている。NY帰りの英語は実用的で、生活指導にも熱心な教員である。だが、蓮実が担任であるクラスの女子生徒・片桐怜花(二階堂ふみ)は蓮実に対し直感的に得体の知れない恐怖を感じていた。怜花と仲の良い早水圭介(染谷将太)は興味本位で蓮実の身辺を調べ始める。一方、物理教師の釣井(吹越満)もワケありな教師だった。釣井も不審に思う。偽善者ぶったヤツを見ると虫酸が走るはずなのに、蓮実にはそれを感じない。どうやら、自分と同類の仮面教師らしい。明るい学園生活の水面下で、微妙に不穏な空気が立ち込める。蓮実はただ自分が考える理想の学園を作り上げることが目標だったが、次第に秘密が漏れていく。蓮実は少し考え、そして決断する。自分の正体に気づいた一部の生徒たちを含め、みんなこの世から卒業してもらおうと。文化祭の前夜、泊まりがけで学校に集まった自分の担当するクラスの生徒40数名の前にショットガンを手にした蓮実が現われる。「みんな、卒業おめでとう」。前代未聞、阿鼻叫喚の殺戮ショーの幕開けだ。

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