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あのワクワク感をもう一度!

“プレゼンの天才”肉声CDに胸躍る『スティーブ・ジョブズ 伝説のスピーチ&プレゼン』

51wIElG68jL._SL500_.jpg『スティーブ・ジョブズ 伝説の
スピーチ&プレゼン』
(朝日出版社)

 先日開催されたAppleのイベントでは、待望の小型タブレット端末・iPad miniをはじめ、RetinaディスプレイになったMacBook Proや、冗談みたいに薄くなったiMacなど注目の新製品がバンバン発表され、テレビのニュース番組などでも大きく扱われていた。

 一方、その数日後に発売されたMicrosoftの新OS・Windows 8の方はイマイチ話題になっていなくて、Appleが悲惨だった時代を知る古くからのファンとしては「時代も変わったなぁ~」と感慨ひとしおってもの。

 そんな感じで話題性も、時価総額でもMicrosoftを抜いて名実ともに世界一の企業となったApple。その創業者、スティーブ・ジョブズが亡くなってから、もう一年が過ぎてしまった。

 命日である昨年の10月5日、Twitter上はもうジョブズ追悼ムード一色で「えーっコイツが!?」っていうような人までもが「世界が少し退屈になった(ドヤッ)」的なツイートをしていて「スティーブ・ジョブズって、ここまで一般に浸透してたんだ!?」と、逆にビックリさせられたものだ。……ま、どうせあの時ドヤ顔追悼ツイートしてた人の大半は「スティーブ・ジョブズ」って名前を知ったの、iPodとかiPhone以降でしょ!?

 確かに、倒産寸前の状態だったAppleに電撃復帰し、iMac、iPod、iPhone、iPad……と次々ヒット商品を生み出して一気に世界一の企業にまで押し上げたスティーブ・ジョブズの手腕はスゴイとしかいいようがないし、不世出のカリスマであることにも異論はない。そしてボク自身もジョブズにガッチリ心をわしづかみにされ、Appleの新製品が発売されるたびにホイホイ金をつぎ込んでいるApple信者ではあるのだけれど、晩年~死後にかけての過剰な神聖視されっぷりには若干違和感を覚えずにはいられないのだ。

 だって……やっぱ頭おっかしいもん、あの人! ワガママ過ぎて自分が立ち上げたプロジェクトから(しかも社長なのに)追い出されたとか、部下が開発していた新製品を奪い取って自分の手柄にしたとか、Appleに復帰した際に当時の社長からプレゼントされた20周年記念Macintoshを窓から投げ捨てたとか、気に入らない部下には罵詈雑言を浴びせかけてバンバン首切りまくったとか……どこまでホントか分からないけど、とにかくカリスマ性はスゴイが上司や友達には絶対したくないタイプ、というのが古いAppleファンの共通認識だったような気がする。

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