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日刊サイゾー トップ > 社会 > 事件  > かえって朝日の差別体質を隠蔽する結果に? 大阪・八尾市の「週刊朝日」閲覧禁止措置の是非

かえって朝日の差別体質を隠蔽する結果に? 大阪・八尾市の「週刊朝日」閲覧禁止措置の是非

 さらに、関西圏の図書館では閲覧禁止まで行かなくても、カウンターに保管して請求しない限りは読めない措置を取っているところが多いという。やはり、記事の内容が問題なのかと思いきや、事情は少し違っているようだ。

「盗まれたり破られたりすることを防ぐためです。現に、大阪の河内長野市では該当記事のページが破られる事件が起きています。また、Amazonでもプレミアがついているくらいですから、盗難に遭うのを恐れている図書館も多いですよ」(西河内氏)

 実は、政治や人権などが絡む問題では、わざわざ図書館に来て、本を破壊する人もまれに現れる。90年の富山県立図書館の図録事件だ。これは、富山県立近代美術館を舞台にした「昭和天皇コラージュ事件」に関連するもの。「昭和天皇コラージュ事件」は、同美術館で展示された昭和天皇と女性のヌード写真とをコラージュした「美術作品」が、大問題となったもの。美術館が、作品が収録された図録を廃棄したため、残部は県立図書館のものだけ。図書館は、これを公開することを決定したが、公開初日にいの一番に駆けつけた人物が、いきなり該当ページを破り捨てたという。

 いずれにしても、人権の問題ゆえに閲覧が制限され、それがかえって企業の差別体質を隠蔽して、救われる結果になっているのは皮肉だ。この問題は、作家一個人の筆がすべった問題でないことを、あらためて指摘しておきたいものだ。
(取材・文=昼間たかし)

最終更新:2012/11/07 12:00
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