ハロウィンでも閑古鳥……米軍外出禁止令が「基地の街」に与える影響
#米軍
10月31日、ハロウィンを迎えた横須賀市の通称“どぶ板通り”。米海軍の基地にほど近いこの歓楽街は、例年であれば仮装した米兵たちと、連れの女性たちで大きなにぎわいを見せていた。
しかし、今年のハロウィンはいつもと様相が違っていた。
「うちは毎年ハロウィンには、仮装イベントをやっていて、朝まで盛り上がっていた。店にとっても一年でも一番の書き入れ時だったのに……。今日の客はたったの5人。0時を回ったらもう閉店します」
そう話すのは、横須賀市内でショットバーを経営する男性(44歳)だ。
そんな異常事態の原因は、10月に沖縄県内で発生した米兵2人による集団強姦致傷事件を受け、日本に駐留するすべての米兵に対し、午後11時から午前5時までの外出が禁止されたことである。
「うちは客の8割が米軍基地の人間だったので、正直苦しい。同業者にも店を畳むことを検討し始めたところもある。米軍による犯罪は許せないが、十把ひとからげの外出禁止措置は早く解いてもらわなくては、うちが潰れるのも時間の問題」(同)
米軍の外出禁止令の影響は、東京の中心地にも見られた。多国籍な歓楽街として知られる六本木にあるダンスクラブの関係者(29歳)は、こう明かす。
「去年までは、ハロウィン直前の週末には朝まで多くの米兵が飲み明かしていたが、今年は皆無だった。当然、米兵目当てに来ていた女の子たちも来なくなり、全体としての客の入りも2割減くらいに落ち込んでいますよ」
同様の現象は、沖縄や東京都福生市、長崎県佐世保など、100近くといわれる米軍施設の周辺地域にも起きているとみられる。
そもそも米軍は、周辺住民による反対運動を抑え込むために、基地がもたらす経済効果を地元に対して強調してきたといういきさつもある。駐留兵士のガラも悪い、経済効果ももたらさないでは、地元にとってまるでいいことなしだ。
(文=牧野源)
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