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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > “アイドル戦国時代”の懐の広さ

“アイドル戦国時代”の懐の広さを垣間見る──『インディーズ・アイドル名鑑』

 ただ、ちょっと気になるのがお金事情。バンドブーム当時、とにかくどんなバンドのCDでもそれなりに売れて、レコード会社や事務所はガンガン儲かっていたのに、契約やお金の仕組みを全然分かっていなかった若いバンドマンたちの手元にはほとんどお金が入ってこなかった、というような話をよく聞くけど、今のアイドルシーンでも同じようなこと、起こっていないといいけどなぁ~……と。

 とある事務所では、それなりにCDなどが売れているにもかかわらず、今までの赤字が解消されるまでアイドルはノーギャラ。あるアイドル・コンピレーションアルバムは握手券やツーショットチェキでファンを釣ってアルバムを売りまくっているのに、アイドルに対する印税はナシ(現物支給で手売りした分がギャラらしい)なーんて話を小耳に挟むたびに、ファンたちは何もプラスチックの円盤をいっぱい欲しいわけじゃなくて、「アイドルの生活が少しでも楽になれば……」「活動がもっと広がれば……」と思って何枚もCD買ってるんだからな! とは思ってしまう(アイドルを売り出すのにいろいろ金がかかるのも分かるけどね)。

 じゃなかったら、かつてバンドシーンがそうなっていったように、事務所やレコード会社を通さずにホントの意味での「インディーズ」な活動をしていくアイドルがドンドン増えていくんじゃないかな。若い女の子たちが自分たちだけで……というのはそれはそれで色々と問題が出てきそうだけど、それを乗り越えた本当に面白くてインディーズなアイドルが出てくるのが楽しみでもある。

 ……ところで、この本もアイドルたちにちゃんとギャラ、出てるのかな?
(文=北村ヂン)

最終更新:2012/11/01 16:00
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