吹き替え声優界のおさ・羽佐間道夫が激白!「『ロッキー』はミスキャストだった」
#海外ドラマ
1987年にテレビ東京で放送され、お茶の間を爆笑の渦に巻き込んだ伝説のコメディシリーズ『俺がハマーだ!』が帰ってくる! 日本での放送から25周年を記念して、11月2日、ポニーキャニオンよりDVD-BOXが発売される。サンフランシスコ市警察の刑事スレッジ・ハマーが、相棒の女性刑事ドリー・ドローと、数々の難事件・凶悪事件を強引に解決するこのドラマ。日本語吹き替え版は、声優たちによる爆笑アドリブが話題となった。今回、DVD-BOX発売を記念して、ハマー役の羽佐間道夫氏に当時の思い出話を伺った。
――今回、DVD-BOXのプロモーション用に新しくナレーション録りされていますが、久々の
吹き替えで、すぐにハマーの声は出せましたか?
羽佐間道夫(以下、羽佐間) 実は、ハマーの場合は僕の地の声に近いので、あんまり作り込んだものではないんです。だから、久々とはいえ、そこまで難しくなかったですね。『俺がハマーだ!』はときどき見ていますが、今見ると“ここは変えたほうがいいんじゃないかな”という部分はたくさんありますね。古いギャグがあったりして、今の時代ではあまり通じないんじゃないかなって。こういう素材って、本当はどんどん新しい人が録り直していったほうが面白いんじゃないかと思いますよ。
――このドラマが日本でヒットした大きな要因は、なんといっても日本語吹き替えの面白さだと思いますが、このアドリブは企画段階から決まっていたことなんですか?
羽佐間 いやいや、まさか。ただ、翻訳家と放送作家はすごく頭を悩ませていましたし、実際出来上がった台本を見て「これはニュアンスがちょっと違うんじゃないかな」と思っていました。当時は、“役者は黙っておけ”というような風潮がありましたが、役者も入れて一緒に考えていこうという空気が生まれ始めた作品でもありますね。台本の骨組みはちゃんとできていたので、あとはのりしろをくっつけるような作業でしたよ。
――ほかの声優さんたちとの掛け合いの中で、突然のアドリブにすぐさま反応できないこともあったりしたんですか?
羽佐間 そりゃそうですよ。何回も録り直しましたね。今は録音技術が発達していますから、簡単に「じゃあ2秒前に戻りましょう」とかできますが、昔は一回まわっちゃうと、ノンストップ。NGが出ると、また頭からやり直しですからね。でも、アドリブって一度止めちゃうと二度と同じのができないんですよ。だから映像をよーく見ると、“これは絶対間違ってるな”というところも発見できる。それも、今回のDVD-BOXのお楽しみですね。
――おなじみの決め台詞「動くなよ。弾丸が外れるから」もアドリブから生まれたものだったんですか?
羽佐間 これは最初からありましたね。いろんなパターンがあったんですが、最終的にはリップシンクにも一番合うなってことでこれに決まったんです。「動かないでちょうだい。今ピストルに弾丸込めるからさ」とかもあったんですが、これだとさすがに長すぎて入らなかったんです。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事