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脱レアアースの日本企業も

輸出禁止で中国が自滅!? レアアース企業が軒並み経営不振

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輸出禁止で中国が自滅!? レアアース企業が軒並み経営不振 – Business Journal(10月27日)

post_916.jpg日本の次なるパートナーになるのはどこ?
(「Thinkstock」より)

 中国のレアアース(希土類)最大手、内蒙古包鋼希土高科技が一部工場の生産を休止した。1カ月間、停止する。

 2010年の沖縄県・尖閣諸島を巡る日中対立で、中国当局がレアアースの対日輸出を止めたことから、日本企業が代替品の開発を進め、需要が急減した。中国のレアアースの生産量はピーク時の16万トンから、今年は半減する見込みだ。

 中国は、レアアースの輸出を対日交渉のカードとして切ったわけだが、逆に中国企業が損失を被る格好になった。

 中国のレアアース企業は300社にのぼるが、4分の1が生産を中止し、操業中の会社でも稼働率は30%程度だという。価格もピーク時の3割にまで急落した。7割安くなったということである。

 レアアースの失敗は、どちらが相手を、より必要としているかを考えなかった中国当局の頭でっかちぶりを浮き彫りにした。

 今回、中国は再びレアアースを全量、対日禁輸するつもりだったのだろうが、その前に自国の企業が経営不振に陥ってしまった。レアアースに対する日本側の具体的な取り組みを報告する。

 双日は今年から豪州産のレアアースを当初、年3000~4000トン規模で輸入を始めた。3000~4000トンだと国内需要の1~2割になる。長期契約で13年には国内需要の33%相当の9000トンを確保する。

 12年4月30日にデリーを訪れた枝野幸男・経済産業相は、インド政府とレアアースの協力協定を結んだ。インド原子力庁の子会社インディアンレアアースと豊田通商が協力し、レアアース工場をインド東部のオリッサ州で6月中に完成させ、日本の年間消費量(2万7000トン)の15%弱にあたる4000トンを毎年、日本に輸出することになる。インドのレアアースの埋蔵量は世界第5位(310万トン)である。

 豊田通商、双日、ベトナムの地元企業のレアアースの開発協力も佳境に入ってきた。現在建設中の工場は来年2月に稼動し、年間1000トンの生産が見込まれている。また、双日はオーストラリアの鉱山会社、ライナスとも協力して、2013年から日本に年間9000トンのレアアースを輸出する計画だ。

 世界一のレアアース輸入国である日本は、年間2万7000トン(ピーク時は3万トン)のレアアースを消費、うち80%を中国に頼ってきた。

 10年に中国はレアアースの輸出規制を始めたが、情報筋によれば、現在、国際市場で闇取引されているレアアースは年間2万~3万トンに達している。これが日本の供給源の多様化戦略に余裕を与えている。値段は高くなるが、数量は確保できるメドが立っているからだ。

 メーカーに脱レアアースの動きも出てきた。精密小型モーターの日本電産は、レアアースを使わないモーターの実用化を目指している。日立製作所はパソコンのハードディスクやエアコンに使われているレアアースを取り出してリサイクルする技術を開発した。レアアースを使わない高性能のモーターも開発している。政府はレアアースの加工やリサイクル設備の更新を後押しする補助制度を設けた。数年後には日本でのレアアースの年間使用量の45%弱にあたる1万2000トンを節約できるようになると期待されている。

 ホンダはレアアースをHV電池から回収する技術を確立した。

 レアアースを対日カードとして切ったことに対して中国側でも「失敗だった」との指摘が出ている。その理由は、「世界中で日本ほど高値で買ってくれる、いいお客はいない」からだ。対日輸出がこれ以上、減ると中国でレアアース関連倒産が多発する恐れが強い。「市場の実態を無視したレアアース政策(政治的カードとして使ったことを指す)が混乱につながった」との批判が現地で出ている。

 日本はインド、カザフスタン、ベトナム、オーストラリアからのレアアース供給に道筋をつけ、13年から対日輸出が開始あるいは輸出量が増える。4カ国による日本への輸出総量は1万5500トンと、日本の年間消費量の半分を上回り(57%)、中国からの輸入比率を大幅に引き下げることができる。リサイクルに加えて、レアアースを使わないハイテク商品の開発で消費量はさらに減る。中国からの輸入量が30%以下になる日も近い。30%なら全面禁輸されても、十分に乗り切れる。

 日本の業界関係者によると、「日本が今年、中国から輸入するレアアースは1万トン程度にまで急落し、過去10年間で最低水準になる」

 数量だけではない。「価格の下落にも歯止めがかからない」という。

 日本のレアアース的なアプローチが、中国最大手のレアアース企業を生産中止に追い込んだ。こうした地道な取り組みが、全ての経済活動に政治を絡めてくる中国に対するカウンターブローになることを証明した。
(文=編集部)

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最終更新:2012/11/19 22:30
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