「みんな、ちょっと大げさじゃない?」志茂田景樹が説く、悩み多き時代を生きるヒント
#インタビュー
――あの、私も悩みがあるので聞いていただきたいのですが……。
志茂田 はい、どうぞ。
――私、32歳なんですけど、今まで付き合ってきた男性がダメ男ばかりなんです。今、付き合ってる29歳の男性も労働意欲がなくて。生活できるギリギリの額しかバイトで稼がず、貯金もなくて……。
志茂田 その人は一人暮らしなの?
――いえ。同じような感じの友人と数人で暮らしてます。
志茂田 じゃあ結構、知恵のある人なんじゃない? 最低の稼ぎでちゃんと食っていけるように、それなりに知恵を働かせてる。
――そう言われればそうですね。
志茂田 僕がこれまで見てきた感じだと、一生、ダメ男でいる割合って、結構少ないですよ。“ダメなヤツ”って言われてる人でも、大部分の人は、数年後や数十年後にはちゃんと働いてる。もしその人が、会うたびにデカいことを言ったり、「こういう理由で雌伏してるんだ」とか言い訳めいたことばかり言っているようなタイプのダメ男じゃなければ、将来性は悪くないですよ。意外と時と所を得れば変わっていくタイプだと思いますね。
――なんだか心が軽くなりました! ところで、志茂田さん自身に悩みはないんですか?
志茂田 もちろん悩むこともありますよ。でもほとんどの悩みって、絞っていくと一本の線みたいになるんです。だから大きな悩みのように見えても、実はすごく細いちょっとした悩みだったりするんですよ。
(取材・文=林タモツ/撮影=尾藤能暢)
●しもだ・かげき
1940年、静岡県生まれ。大学卒業後は、20種類以上の職を転々とする。1976年『やっとこ探偵』で小説現代新人賞を、1980年『黄色い牙』で直木賞を受賞。執筆活動のほか奇抜なファッションセンスが注目され、テレビなどでも活躍。1999年より「よい子に読み聞かせ隊」を結成。最近はTwitterでの人生相談が話題となり、フォロワー数が23万人を超える人気となる。
Twitterアカウント「@kagekineko」
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