「みんな、ちょっと大げさじゃない?」志茂田景樹が説く、悩み多き時代を生きるヒント
#インタビュー
――「死にたい」と送ってくる人も多いようですが。
志茂田 そういう人に「親にもらった命を粗末にして、死にたいとは何事だ」なんて、昔のお説教みたいなことを返しちゃいけないんです。それより死から少し離れたところから答えると、素直に聞いてくれますよ。まあ、本当に死にたい人間はあまりTwitterに「死にたい」なんて書きませんから、気持ちが柔らかくなる言葉が欲しいんだと思います。
――ちなみに志茂田さん自身は、死について考えることはありますか?
志茂田 よく考えます。なぜなら、僕はあと200年くらい生きたいと思ってるから(笑)、死に対する覚悟がまだできてないんです。死なんて本当はその日が来るまで、全然考えなくていいことなのに、それでも考えたり怖がったりするってことは、自分がいかに煩悩が多いかってことですよね。
――Twitter以外に「FRIDAY」(講談社)の連載でもお悩み相談をされてますが、悩みを聞きすぎて、負のパワーに疲れてしまうことはありませんか?
志茂田 それはないですね。僕は人間に対する好奇心が強いほうなので、いろんな人と接することで、作家として創造意欲を駆り立てられますし、人間って一人ひとり違って面白い生き物だなあって感じられますしね。僕、Twitterを開いた瞬間にときめくんです。Twitterの“長方形の小窓”を通して世界を見たり、今まで接したことのないタイプの人が、僕に何か言ってきたりする。そういう意味では、板塀に囲まれた家の節穴から外を覗くような感覚に似てるかもしれませんね。
――ところで書き下ろしの著書『失敗したって、いいんだよ ~希望をつくる40の言葉~』(青志社)が発売になりましたが、この本で伝えたいメッセージは何ですか?
志茂田 思い通りにいかないと、すぐにへこんでしまう人が多くて、「ちょっと大げさじゃない?」って気がしてるんです。みんな、目に見えない“転ばぬ先の杖”を持ってるんだから、少々のつまずきは、別に転んだことじゃないんだよと。
――どんな人に読んでもらいたいですか?
志茂田 中学生から社会に出て2~3年あたりまでの人に読んでもらいたいなあって思います。特に中学生くらいは、失敗を恐れてすぐに心が揺れ始めるので。
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