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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 『ザ・レイド』監督を直撃!
時代劇大好きなギャレス・エヴァンス監督インタビュー

芸術的格闘技“シラット”による映画革命だ! ジャカルタ発のアクション大作『ザ・レイド』

the_raid_battle.jpg麻薬組織と麻薬王に買収されたマンションの住
民たちが次々とSWAT部隊に襲いかかる。
マンションにある物、すべてが凶器だ。

──アクション映画に適した格闘技といえそうですね?

エヴァンス うん、そう思うよ。他の格闘技は今ではどれもスポーツになっているけど、まぁシラットもスポーツ化はしているけど、もともとのシラットはコンバット用のもので、“生きるか死ぬか”という状況で使われていた非常にアグレッシブなもの。シラットにはいろんな種類があるんだけれど、そのひとつに「チマンデ・シラット」というのがあるんだ。これは相手の骨を折ることを目的とした、とても攻撃的なもの。でも、それとは逆に「チマンデ・オイル」というのも存在して、これは相手の折った骨を治癒するためのもの。骨を折るだけでなく、折った骨を治してしまう。これも、とても興味深いよね。ある種のドラマチックさを感じさせる、シラットならではの奥深さじゃないかな。

──骨を折っちゃうのもエグいけど、たちまち治しちゃうんですね。シラット、すごいなぁ。『ザ・レイド』は過激なアクションシーンの連続ですが、本当に死傷者は出てないんですか?

エヴァンス ラッキーなことに死者は出てないよ、まぁ負傷者は少しばかり出たけどね(苦笑)。

■切腹、子連れ狼、サニー千葉……。日本映画が大好き!

 『ザ・レイド』の特筆すべき点は、5歳からプンチャック・シラットを始めた主演のイコ・ウワイスをはじめ、主要キャストにプロの格闘家をそろえたアクションシーンのガチンコぶり。肉弾戦、銃撃戦、剣斬戦と、さまざまなシチュエーションでの変化に富んだ戦いが繰り広げられる。エヴァンス監督は前作『ザ・タイガーキッド 旅立ちの鉄拳』(09)でもイコを主演&コリオグラファーとして起用していたが、イコのデビュー作となったこちらの作品も手加減なしの驚愕作だった。観る側に痛みが伝わってくるようなリアルさ。それがエヴァンス監督とイコ・ウワイスとのコラボ作の特徴といえそうだ。

──前作『ザ・タイガーキッド』もすごかったですね。隣のビルに飛び移った主人公役のイコが、続いて飛び移ろうとする敵を物干しざおで突き落とすシーンは、どうやって撮影したんですか?

エヴァンス ジャンプしている敵を竹ざおでビルの下に突き落としてしまうシーンだね(笑)。インドネシア版のDVDには特典でメイキング映像が付いていたんだけど、日本版は残念ながら入ってなかったらしいね。あのシーンはずいぶん時間を掛けたよ。まず敵役をワイヤーで吊るして、本当に落っこちないようにしたんだ。それからジャストなタイミングで竹ざおで突けるように何度もテイクを重ねた。もちろん竹ざおの先端にはゴムをハメていたし、敵役の胸にはパットを入れていたよ。それでもテイクを重ねると、どうしても集中力が落ちてきてしまう。13回撮り直してとめたんだ。どうして13回かというと、13回目でイコが誤ってしまい、相手の首筋のすぐ横を竹ざおがすり抜けたんだ。もし、首を直撃していたら、多分死んでたんじゃないかな。それで、「これ以上はヤバい」とスタッフ一同焦って、撮影をストップしたわけさ。それが13回目だった。本編では7テイク目が使われているよ。アクションシーンの撮影は万全を期しているけれど、何度も撮り直すことで、どうしてもリスクが生じてしまう。アクション映画は、やっぱり危険が伴うものなんだ。

──今回は落っこちた敵が手すりに当たって、背骨が逆V字になってしまう強烈シーンがありますが、あれはCGじゃないんですか?

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