「これじゃただの広告屋だ!」観光業者とベッタリ癒着の旅行ジャーナリストに批判の声
#ジャーナリズム
「屋久島も西表島もハワイも行く必要なし!」
伊豆七島への観光PRが旅行関係者の間で物議を醸している。10月18日、伊豆七島への客船を運航する東海汽船がマスコミ関係者を集めた東京湾船上でのプロモーションイベントを開催したが、その中でトラベルジャーナリストの肩書きで登場した寺田直子氏が「屋久島も西表島もハワイも行く必要ない」というタイトルでスピーチしたことで、当の屋久島らの観光関係者が激怒しているのだ。
スピーチで寺田氏は、「仕事では世界60カ国に足を運んだが、大島には仕事でなくても行く」と力説。そこまではよかったが、屋久島など3島の景色を写した写真と、それに似た景色の大島の写真を並べたものをスクリーンに大きく映し、大島に行けばこれら3島に行く必要はないという内容をアピール。これを伝え聞いた屋久島、西表島の観光業者が「そんなふざけたPRになんの意味があるんだ!」と痛烈に反論した。
「旅行というのは、場所それぞれに違った魅力があるはず。それなのに、ほかをとがめて特定の場所の優位を説明するなんて、バカバカしいにもほどがある。屋久島、西表島、ハワイともそれぞれ特色があるし、大島だって同じ。屋久島やハワイと大島を比較して、どっちに行くかなんて考える観光客がいるとも思えない。ほかの島に対して「行く必要がない」なんて、よく言い切れたものだ」(屋久島在住の旅館経営者)
また、西表島への観光ツアーを手配する沖縄の旅行会社経営者も「寺田氏は昨年、ブログに“十数年ぶり”として西表島に行ったと記しています。首都圏から身近な伊豆七島に強い思い入れがあるのかもしれないですが、十数年も行っていなかった島をよく比較対象にできるなと思う」と、反論。
さらに、ジャーナリストとしての姿勢にも疑問を投げかけ「そもそも特定の観光地のPRを仕事にしている時点でジャーナリストと名乗るのがおかしい。トラベルジャーナリストと名乗るなら、その場所を取材して掴んだ良い点、悪い点を客観的に別のところで述べるべき。大島のPRで金をもらってヨイショしているのは、ただの広告屋。自分が何度も行っているとか、だからほかに行く必要はないとか、それじゃただの観光客の感想レベル。ジャーナリストとしての資質を疑います」(同)
大島に住んでいる人間が「ほかよりこっちのほうがいい」というのではなく、“世界中を見て回っている”という触れ込みのジャーナリストによるPRだけに、もう少しほかの表現ができなかったのか一考の余地はありそうだ。
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