コンシューマーゲーム信仰と嫌儲思考がゲーム業界を滅ぼす!?
#ゲーム
「ソーシャルゲームは、むしろ公平だと思います。課金しなくても、時間をかければ(カードバトルの場合だと)レアカードはちゃんと入手できます。逆に時間がなければ、課金すれば短時間で強いカードを手に入れることもできます。時間か金かどちらを費やすか選択肢があるのですから、従来のゲームよりも公平だとは思いませんか?」
どうもゲームユーザーたちの間では、金を儲けることへの嫌悪感、さらにむやみやたらと公平感を求めている人ばかりが「声が大きい」ようだ。そんなものを気にしていては、ちゃんと企業が潤うゲームを開発するなんて不可能だ。『ドラゴンクエストX』は、元気玉システムの導入に見られるように、公平感に配慮しているが、それでも問題が発生している。もう「ソーシャルゲームが嫌い」「課金が嫌い」「強いヤツがいるのが不公平」「俺がカネを払っているのに、儲けているヤツがいるのは許せん」みたいな思考の人々を、相手にしていられない。
「東京ゲームショウ2012」出展社数が過去最多となった一方で、出展を見送り注目されたのがマイクロソフトと任天堂だ。特に、マイクロソフトが出展を見送ったことは、日本のゲーム業界が世界市場から見限られつつあることを如実に示した。
「マイクロソフトが出展しなかった理由は明白です。同社が最も推しているのはKinectなのですが、海外では好評を得ているにもかかわらず、日本ではあまり売れていません。同社はもう、日本市場を切り捨てたと考えてよいでしょう」
と、海外事情に詳しい業界関係者は話す。
コンシューマーゲームが勢いを失い、海外市場からも見離される状況で、唯一、可能性があるのがソーシャルゲーム業界なのは間違いない。ほとんどすべてがカードバトルで占められている現状は大いに問題があるとしても、ユーザーの参入障壁の低いソーシャルゲーム、あるいはブラウザゲームがゲームの主流になっていくのは間違いない。だが、ゲーム業界内外のさまざまな動きが成長を阻害している。
(取材・文=昼間たかし)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事