このまま終わってしまうのか? “崖っぷち”『笑っていいとも!』の挑戦
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さらに翌日。ゲストのリリー・フランキーは、前日の水道橋博士のムチャぶりで“ウワサの彼女”を会場に連れてくる。車イスに乗せられた“彼女”は、リアルな等身大ラブドールのリリカ。「会場も緊張してるよ」とタモリが笑うように、客がざわめきとも言えないようなざわついた反応を示す中、とても真っ昼間とは思えないようなシュールでキケンなシーンが流されたのだ。
木曜日には、番組のエンディングに、レゲエ界の生ける伝説リー・スクラッチ・ペリーが登場。もちろん客は見知らぬ老人に冷たい反応だった―――。
『いいとも』は「『いいとも』の客」の血を入れ替えようとしているのかもしれない。この週から番組のレギュラーに抜擢されたのは武井壮、ハライチ澤部、栗原類、伊藤修子、木下優樹菜だ。木下や澤部はともかく、それ以外は「え? 誰?」と言われてもおかしくないメンバーである。しかし最近でこそ、その多くを安定感のある中堅芸人で固めてきたが、もともと『いいとも』は「え? 誰?」という人をスターにしてきた歴史でもある。
「知らない」ということを悪びれることなく、むしろ「知らねーよ!」というツッコミになってしまう時代。そんな時代に、世間的に知られていない人たちをレギュラーに添えたり、マニアックでアナーキーなネタを挟み込むのは無謀な挑戦かもしれない。それが風前のともしびとなった『いいとも』の火を消してしまう結果になるのか、一瞬の爆発を生むのか、はたまた再び新たな火をともすことになるのか、それはまだ分からない。でも、やっぱり『いいとも』とタモリのいないお昼は寂しい。もはや『いいとも』のない日常を僕は知らないし、知りたくもない。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)
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