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ニコ動がメルマガ&ブログという新サービスを放った狙いとは?

炎上は成功?小沢一郎、GACKT…有名人たちが始めたブロマガって何?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!

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「ブロマガ HP」より

 今、ネットでは、何度目かのメルマガ(メールマガジン)戦国時代を迎えている。

 津田大介氏の『メディアの現場』や佐々木俊尚氏の『ネット未来地図レポート』など、名だたるジャーナリストがこぞって有料メルマガを発行。お金を払ってでも読みたいというファンが購読して、きちんとしたビジネスになりつつある。

 そんな活況を見てかIT企業のドワンゴは、8月21日から動画共有サービス「ニコニコ動画」の一環として「ブロマガ」という新サービスを始めた。ブロマガとは「ブログ・メルマガ」を略した造語。テキストだけでなく、写真や動画、生放送の配信なども提供できたり、メール/ウェブブラウザー/電子書籍(EPUB)と、読む手段を選べるのがメリットといえる。何よりブログとは異なり、コンテンツに対して好きな価格で月額/単体課金できるのが大きい。

 少々ややこしいのだが、もともとニコニコ動画は「ニコニコチャンネル」という企業/団体向けの場所を用意しており、企業や政党が生放送でPRしたり、映画やアニメを販売したりといった活用をされていた。このチャンネルをカスタマイズし、ジャーナリストやネットの有名人に開放したのがブロマガだ。

 ドワンゴによれば、サービスの開始からおよそ1カ月の9月18日には、有料登録者が1万人を超えたとのこと。「iモード」をはじめとするケータイはともかく、パソコン向けネットの世界では、長らくテキスト情報でお金を取るのは難しい状態が続いていたが、ブロマガはそこに一石を投じられるだろうか?

 ドワンゴの子会社でニコニコ動画を運営しているニワンゴの杉本誠司社長と、ブロマガを担当するドワンゴのニコニコ事業本部企画開発部の宮原セクションマネージャにお話を聞いた。

●ブログとメルマガの、いいとこ取りをしたサービス

――今、どんな方がブロマガに参加されているんでしょうか?

杉本誠司氏(以下、杉本) 本当に多様な方々が参加されています。政治系では、小沢一郎さん、猪瀬直樹さん、石破茂さん、ジャーナリストでは田原総一朗さん、津田大介さん、佐々木俊尚さん、上杉隆さん。そうかと思えば、アーティストのGACKTさん、小説家の岩崎夏海さん、デヴィ夫人、コスプレイヤーのうしじまいい肉さんなども参加されている。

宮原氏(以下、宮原) 映画監督の押井守さんなど、今までニコニコ動画でコンテンツ展開されていなかった人も増えています。有料ブロマガのランキングを見ると、小沢さん、GACKTさん、うしじまさんが並んでるというのが象徴的ですよね。みなさん「カオス」と表現されますが、実生活ならそこまでセグメントを分けしないし、いろいろな人が隣り合って生活している。

――どういう使われ方をしているんでしょうか?

宮原 それも人それぞれです。文字や画像、動画、生放送を著者の使いたいように使えるサービス。例えば、ミリオン出版で「実話ナックルズ」などの編集長をされていた久田将義さんは、この前、生放送を通じて会員数を数百人単位で増やされていた。

杉本 文章が書けない人でも、課金コンテンツができてしまう。他のサービスでは、テキストや画像は投稿できるけど、動画や生放送は他社のものを使うというサービスも多い。なんだかんだいってニコニコ動画は、その辺をワンストップで押さえている。

――書いている人たちのモチベーションも高いんでしょうか?

杉本 ニコニコ動画自体、登録ユーザーが2800万人なので、見られている意識は高いかと思います。特に政治系の方は、ネットに苦手意識を持たれているケースが多い。これから有権者になる若者に対して、ネットでアピールしたいけど、単にウェブサイトをつくっただけではダメなことがわかってきた。

 ニコニコ動画には、「ニコニコ」という名前にいかがわしさはありつつも、無視できないくらい人がいますし、実際に生放送をやると何かしらの反応が返ってくる。その反応をキャッチアップして、自分たちの今後につなげるという動きもあります。

宮原 ブロマガは、その名の通り、ブログ的に書いた文章を、メールマガジンのように会員全体にメールで通知できるメリットもあります。ブログにも「RSS」という更新を通知する仕組みがありますが、どれくらい使われているのかはあまり見えてこない。それにメルマガのように単に読むだけでなく、またネットに戻ってきて、記事に対してコメントを書くこともできる。コメントに対して書き手が反応するなど、いろいろな広がりが考えられます。

●記事の「炎上」も、ひとつの成功といえるかもしれない

――以前、ドワンゴの記者発表会では、ブロマガについて「プラットフォームのプラットフォームを作る」といった主旨の発言もありました。出版社と著者の関係を想像したんですが、ドワンゴさんは内容にどれくらい関与していくのでしょうか?

宮原 基本はお任せしています。何がよくて何が悪いかという話をしていくと、言論統制に近い感じになってしまう。そうではなく、著者の方がやりたいようにやってもらっている。違法ならともかく、そうじゃない合法の範囲では自己責任にお任せしますというスタンスです。運営元としては、ランキングなどので客観的数値でユーザーに記事をプッシュしたりするかたちで関わっています。

――過激な記事で「炎上」になるケースも考えられます。

杉本 その辺は投稿者にお任せする感じです。それに現状はきちんと連絡がとれる名の知れた方々なので、何か問題があったら話し合いする余地はあると思っています。

宮原 ブログはなんのために書くかというと、まず見てほしいという気持ちが大きい。本当に文章を書きたい人が書いて、見てもらえるという状況が確立すると、今までと違うサービスになれるのでは。それにブロマガは、ここで収益を得られるので独立したメディアになりうる。アフィリエイトや広告料をモチベーションに書いている方もいるかと思いますが、そのアフィリエイトの料率も下がってきている。広告主との関係で、書きにくいこともあったりします。規制のない場所を作って、使い方は各自にお任せというのが今回の流れです。

――とはいえ、ドワンゴ自体に抗議がくる可能性もあります。

杉本 それはうちの管轄ではないという認識です。筆者の方と一蓮托生ではなく、場所を提供する、パーソナルメディアプラットフォームみたいな考え方です。いいか悪いかは読み手の判断で、好みでしかないという。才能のある人が自由にできる環境を全部用意するのが我々の仕事。例えばデヴィ夫人はEPUBを絶対に作らなそうですよね。それがブロマガならできてしまう。

 誤解を恐れずに言えば、「炎上」したら、もしかしたらブロマガのひとつの成功といえるのかもしれません。プラットフォームの中にいる方がメディア化して、特定のメディアの規制を受けずにセンセーショナルな話題を外に発信できたということです。ブロマガがそんな場所になるのが理想。そこまで世の中にインパクトを与えられるような存在になれば、当然、何かしらのリスクは出てくるので、対応していきます。

宮原 今でいえば、例えば、GACKTさんがフィルターのかからない情報を出していくという方針の下で、プライベートの情報を書いている。週刊誌で触れられたスキャンダルについて「ブロマガで書くから」と答えたりしています。

――ブロマガは一般ユーザーにも解放するんですか?

杉本 予定はあります。ニコニコ動画でいえば、ニコニコ生放送をまず公式番組から運用を始めて、しばらくして一般ユーザーに解放した流れのイメージです。ブロマガも、しばらくは「慣れた方々」によって順当な進化をすると思うんです。で、どこかのタイミングでユーザーがどっと入ってきて化学変化が起こり、あらぬ方向に走っていくというのを期待したい。ユーザー生放送のように、従来のメディアでは掘り起こせなかった有名人が出てくるはずです。

 ひとつのゴールとしては、仕事をしながら言論活動ができる人が出てくるのが理想ですよね。そうした未来がくるように、ぜひ今の執筆陣の方々に引っ張っていってもらえればと考えています。
(構成=広田稔)

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最終更新:2012/10/07 07:00
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