「一般コミックでも大丈夫……じゃなかった!」不健全図書指定された『ぽちとご主人様』の顛末
#出版 #青少年育成条例 #非実在青少年
東京都では9月14日に郵送で通知をしたというのだが、この書店では
「当社及び秋葉原店を含めた当社各店舗への東京都からの通知の到達が確認できておらず、現在、事実関係につき調査中です」
というのだ。
早速、前出の都青少年課の佐藤課長に再度問い合わせてみたところ、
「正直、100%すべての書店に通知を発送できてはいないと思います」
と、これまた驚きの答えが。佐藤課長は続ける。
「東京都でも電話帳などで確認して随時更新をしておりますが、書店は登録制の事業ではないため、若干反映しきれていないところもあります。書店組合などに加盟していれば、そういった団体を通じて別途、通達が行っていると思うのですが……」
てっきり「届いてないハズがない」と反論されるかと思いきや、予想外の自信のない回答だった。だが、この書店は別件で取材した際に、東京都からも立ち入り調査を受けて「ちゃんと年齢区分していて問題がない」と太鼓判を押されたこともあると話していたのだが……真相は藪の中である。
ただこの書店も、当惑しつつも
「直ちに全年齢向けコーナーでの陳列を中止し、条例に適した陳列・販売方法への変更を行っていきます。また、現時点では、18歳未満のお客様がご購入された事実は確認できておりません」
と、対応は真摯であったことを、付け加えておきたい。
不健全図書指定が決まった後の運用に、若干の漏れがあることが明らかになってしまった今回の一件。全体を総括する中で見えてくるのは、表現が多様化する中で18禁と全年齢を区分するだけの、自主規制ができなくなってきていることだ。そろそろ、本気で15禁の導入など、あくまで自主規制としてレーティングを細分化する必要性が出てきているのではなかろうか。インターネットも普及し、いつでもどこでもエロを手に入れることができるようになった昨今、ちょっとは少年少女にも、エロを手に入れる苦労とドキドキ感を味合わせたほうがよい。
(取材・文=昼間たかし)
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