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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > ハマケンが"いじめ問題"に言及?
ミニアルバムが明日発売!

「いじめっ子って本当は優等生なんですよ!」”ブレてもいいこと”を伝えたいファンクバンドの使命

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──もうひとつ、これは超勝手に感じたことなんですが、今回のミニアルバムは、いじめ問題に揺れる現代社会の子どもたちの気持ちにもシンクロするのかなと。寂しさだったり、他人とのコミュニケーション不足だったり……これは意図したことではないのかもしれませんが、今後、社会に対して発信していきたいことってありますか?

浜野 前から、何事にも「ブレろ!」って思ってるんですよ。ブレたくない自分に挑戦していかないといけないんです。例えば僕は、今回のアルバムでメンバーに曲を書いてもらったり、メンバーの意見もちゃんと聞いたりしたことで、自分の世界を崩すことを味わった。

 大津のいじめ事件で、いじめられた子が死んだ後に、いじめた子が「アイツ死によったで」なんて言ってた、という話がありましたよね? それを聞いて、大人は「極悪非道だ!」って言うじゃないですか。いくらなんでも、自分が加害者で、いじめていた子が死んだらショックを受けてくれるだろうと思ってるから。でも、そこでその子がケロっとして見せていたのは、ブレたくなかったからじゃないかなって思うんです。その子は、「ブレたら負けだ」っていう、大人の世界から習ったことをまっとうしている、いわゆる”優等生”なんだと思うんですよ。だから、いい社会とか美しいものを作るためだったら、「ブレてもいいんじゃない」ってことを伝えたいんです。「あ、そうなの? そっちのほうがいいね!」って言う勇気を持ってほしい。これは、むしろ僕たち大人に重要なことかも。

仰木 在日ファンクって、コミカルなバンドだと捉えられがちだと思うんです。実際、笑ってもらえるっていうことは重要な要素だとも思っているし。でも、”笑い”としてしか捉えてないお客さんも多い気がしていて、もう一歩、自分たちの音楽に踏み込んで来て欲しいという時もあります。『爆弾こわい』のリリースツアーで、広島にも行ったんですが、「爆弾こわい」を演奏した時、お客さんのテンションがすごく高くて、鳥肌が立ちました。お客さんの中に共通の問題意識があれば、在日ファンクの曲って、決してコミカルなだけじゃないと思うんですよね。

──原爆の問題とシンクロした、ということですか?

仰木 そうですね。「嘘」を作った時は、”嘘をつくことは罪である”ということは念頭に置きつつも、「嘘も方便」という言葉もありますし、全ての嘘に対して、その人が責任を取るべき”絶対悪”だと言い切れるのかな? って感じていた部分があって。なるべく嘘はつきたくないけど、多かれ少なかれ、社会生活の中で気付かずにそう仕向けられているかもしれない。だから、嘘って「いい」「悪い」じゃなくて、そういう世の中をまわす”カラクリ”みたいなものだと思ったんですよね。

──仰木さん……けっこういろいろ考えてるんですね(笑)。では、やっと幅が広がり始めたということで(!?)、今後の展開も、楽しみにしてます!

(構成=編集部/撮影=後藤秀二)

●在日ファンク
SAKEROCKの浜野謙太を中心とし、「日本に在りながらファンクを再認識する」ことを目指した7人組ファンクバンド。2010年1月にファーストアルバム『在日ファンク』でデビュー。11年にリリースした『爆弾がこわい』で注目を集め、さまざまなアーティストとのコラボレーションも展開している。

■RELEASE
『連絡』
10月3日にリリースされる、ミニアルバム。メンバーの仰木亮彦(Gt.)の「嘘」や村上基(Tp.)の「ダチ」など、浜野以外が手がけた楽曲が初めて起用されている。「あれは今回限りのデトックスなんですけど……よかったのかな」(浜野)という、ジェントル久保田(Tb.)の“不思議な語りが聴ける”ボーナストラックにも注目してほしい。
発売日/10月3日(水)、価格/1980円(税込)、発売元/P-VINE RECORDS

最終更新:2012/10/18 19:49
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