スネ夫こそ、人生をうまく切り抜ける天才!?『「スネ夫」という生きかた』
#本 #ドラえもん
『ドラえもん』に登場する、キザでイヤミっぽく、髪がやたらとなびいている人物といえば、お金持ちでマザコンの“スネちゃま”こと、骨川スネ夫。力の強いジャイアンにはうまく取り入り、勉強もスポーツもダメなのび太には、超上から目線。近くにいたら、絶対にイラっとくるタイプだ。
けれど、視点を180度変えて見れば、実は自分の立ち位置をうまくつかみ、人間関係をより円滑にする力がある!
そう力説するのは、富山大学名誉教授の横山泰行氏。横山氏は、「ドラえもん学」の提唱者で、あの、不朽の名作『ドラえもん』を研究対象とし、全1,345話に登場するセリフをすべてエクセルに打ち込みデータ化し、学術的に分析。のび太、ジャイアン、スネ夫など、時代を超えて“こういう人いるよね”という登場人物たちの「生き方」に注目し、「『ドラえもん』の中には、生きるヒントがいっぱいある」と語っている。
その第1弾として、2004年に発売された本が、『「のび太」という生きかた』(アスコム)。のび太はドジでのろまで、勉強もスポーツもできない。けれど、困ったことがあれば、いつも誰かが助けてくれるし、最終的には学校のマドンナ・しずかちゃんと結婚。ダメ人間に見えるのに、意外とうまいこと生きている。それはなぜなのか? 日本人ならば誰もが知る『ドラえもん』を斬新な切り口でひもとき、21万部を突破した。
そして、その第2弾が、「スネ夫」を主人公にした、『「スネ夫」という生きかた』(同)。横山氏は、ズル賢いスネ夫の身のこなしこそ、有益な人生の指南書になる、と語る。
たとえば、ジャイアンが「ひさしぶりの新曲を聴きたいか」と迫った時、のび太は、「え~新曲!?」と露骨に嫌がってしまう。けれど、スネ夫は「聴きたい! 聴きたい! ひさしぶりだなあ」と、大げさな身振りで反応。ジャイアンはご満悦で、すっかりイイ気分。一方で、のび太はジャイアンに「おまえはどうなんだ」と聞かれ、「聴きたい聴きたい。どうせ聴かされるなら、いやなことは早くすませたい」と本音をもらす。当然ながら、ジャイアンは激怒。のび太をボカっと殴り、「だれが聴かせてやるか!!」と、捨て台詞を残し、広場を去っていく。結果、スネ夫はジャイアンの歌を聴かずに済み、ホッとひと安心……。
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