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裏切り&結託は当たり前。今の政界にそっくり! 極道たちのバトルロワイアル『アウトレイジ ビヨンド』

outrage_2.jpg山王会の若頭に異例の大出世を果たした石原(加瀬亮)だけど、キレやすい性格は相変わらず。
カルシウムが足りないよ。

 獄中の大友は仮釈放されたものの、前作で山王会に逆らった大友組は全滅している。行き場のない大友を迎えるのが、因縁のあった元村瀬組の木村(中野英雄)。大友に斬りつけられたカッターナイフの傷跡が顔に残る木村は、村瀬組を再興するために力を貸してほしいと大友に頭を下げる。組を失った木村は、死んだ舎弟の息子とその仲間(新井浩文、桐谷健太)の世話を焼く律義者だ。一度は隠遁生活を考えた大友だが、まだ老け込むには早すぎる。こうして木村が経営するバッティングセンターを根城にして、大友&木村連合軍が結成される。山王会、花菱会に比べるとあまりにも弱小グループだが、少人数ゆえの機動力を活かして裏社会でのキャスティングボートを握っていく。

 たけし発案の斬新なバイオレンスシーンが目に焼き付く『アウトレイジ』シリーズ。残酷シーンの連続のような印象があるが、たけし演じる大友という男は実はガキ大将がそのまま大人になっただけに過ぎない。前作では木村の顔をカッターナイフで斬りつけ、サウナですっぽんぽん状態の村瀬(石橋蓮司)に襲いかかった。大友の振るう暴力の数々は、子どもの悪ふざけの延長だった。大使官邸で闇カジノを開いたのも、お金儲け目的というより、単に面白そうだったからやってみただけ。そもそも大友組を作ったのも、たけし軍団と同じで大勢でワイワイと騒ぎたかったからだろう。大友はただ、毎日を面白おかしく過ごすことができればよかった。お金や出世にはまるで興味がない。今回もバッティングセンターに何となく居着いてしまう姿に、大友の少年性を感じさせる。

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