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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 【清野とおるの、キ○チ○ガ○イと呼ばないで】第6話「謎の美人くだもの売り」

【清野とおるの、キ○チ○ガ○イと呼ばないで】第6話「謎の美人くだもの売り」

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 女性は、ダンボールの中一杯に詰まった巨峰を見せ、俺に勧めてきた。

「果物の行商をしておりまして、この巨峰を売り切らないと帰れないんです……」

 時刻は22時半。こんな時間に若い女性がズブ濡れで巨峰を売り歩くなんて、奇妙で不審だとは思ったけど、

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 それ以上に「健気でかわいらしい」という気持ちが勝ってしまい、ひと房だけ購入してあげることにした。

 きっと男なら誰だってこう思ってしまうはずだ。

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 巨峰が新鮮な上に無農薬で、いかに素晴らしいものかを説明してくれたけど、巨峰に1,000円は払う気にはならなかった。これから呑みに行くのに、持って歩くのも面倒だし。ってゆーか、そもそもブドウとかあんま好きじゃねえし。

 丁重にお断りすると、女性は「そうですか。どうもありがとうございました」と微笑んで、その場を後にした。

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