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奇想天外なSF大作『アイアン・スカイ』公開記念インタビュー

月面ナチスが地球侵略!? 『アイアン・スカイ』はファンからの支援金で完成したネオトンデモ映画

■ファンからの支援金は、こうして集まった!

ironsky_3.jpg2018年、米国は女性大統領が就任。戦争さえ
ぶっ始めれば、支持率がぐんぐんアップする
と考える超タカ派。

 インタビュー後半は、『アイアン・スカイ』にまつわるお金の話題について。本作は2008年に公式HPを立ち上げ、特別映像を配信。世界中の映画ファンにサポーターとしての参加を呼び掛けた。1000ユーロ(約10万円)以上の出資者はエンドクレジットで名前が流れ、続いて“戦時国債”という名称でひと口50ユーロ(約5000円)の特典付き募金、1ユーロ(約100円)で冒頭約4分間をいち早く観られる会員を募り、特製Tシャツなども販売。積もり積もって100万ユーロもの資金の調達に成功している。日本でも『フラガール』(06)が大ヒットするなど、邦画バブル期には個人向け映画ファンドがもてはやされたことは記憶に新しい。ところが日本の場合は、資金流用の疑いのあった信託会社が行政処分を受けるわ、映画製作会社が倒産するわ、大変残念な結果に終わっている。その点、『アイアン・スカイ』は純粋に「この映画が観たい」というファンの熱意によって支えられたようだ。そのへんのところ、ティモ監督にじっくり聞いた。

──ヨーロッパのインディペンデント映画で750万ユーロという製作費もスゴいですけど、一般のファンから募ったファンドが100万ユーロも集まったことは画期的ですね。

ironsky_int_02.jpgフィンランド映画祭に登壇したティモ監督。
「この映画はファンの熱意が支えてくれた。
みなさんに感謝しています」。

ティモ 製作費が足らなくて、必要に迫られて考え付いたアイデアだったんだけど、結果としては大きなプラスに繋がったね。映画ファンド関係者の間では、ボクらはパイオニア扱いされているよ(笑)。映画ファンからお金が集まっただけでなく、そのことがとても大きな話題となり、ニュースとして取り上げられたしね。大きな宣伝効果もあったと思うよ。“ファンによって作られた映画”であることが、『アイアン・スカイ』の大きな旗印となっているんだ。

──08年に正式HPを立ち上げて最初のティーザーを流し始めた時点では、製作費はどれだけ集まっていたんですか?

ティモ 最初は400万ユーロ。この400万ユーロは投資家たちから募ったもの。ここまでは比較的容易に集めることができたんだ。でも、それ以上はなかなか難しかった。それで、ネット上で一般の人たちにファウンディングを呼び掛けて、100万ユーロ(1000ユーロ以上の出資者たちから集まった額が70万ユーロ、追加募集した“戦時国債”で30万ユーロ)が1年間で集まったんだ。次第に話題となり、それからさらに製作費が集まって、トータルで700万ユーロ以上になったんだ。

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