トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > カルチャー  > トム・クルーズが4オクターブの美声を初披露!『ロック・オブ・エイジズ』
(C) 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

トム・クルーズが4オクターブの美声を初披露!『ロック・オブ・エイジズ』

rol.jpg(C) 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

 今週は、ミュージカル×映画、文学×映画という2パターンのコラボが楽しめる洋画と邦画の新作を紹介したい。

 『ロック・オブ・エイジズ』(9月21日公開)は、80年代に大ヒットしたロックナンバーを中心に構成された人気ミュージカルの映画化。ロサンゼルスのライブハウス「バーボンルーム」で働くドリュー(ディエゴ・ボネータ)とシェリー(ジュリアン・ハフ)は、歌手になる夢を語り合ううち互いを意識するように。そんなバーボンルームに、カリスマロックスターのステイシー・ジャックス(トム・クルーズ)の出演が決まる。だが、酒と女におぼれ自堕落な生活を送るステイシーは、キャリアの曲がり角に立っていた……。

 メガホンを取ったのは、やはりミュージカル映画の『ヘアスプレー』(07)やテレビドラマ『glee/グリー』のエピソードも手がけたアダム・シャンクマン監督。若い主役2人は日本ではまだ知名度が低いが、4オクターブの声域を持ちながら意外にも映画で歌うのは初めてというトム・クルーズの熱唱、熱演は必見だ。アレック・ボールドウィンやキャサリン・ゼタ=ジョーンズらベテラン勢も加わって、ジャーニー、ボン・ジョヴィ、スターシップといった80年代を代表するロックバンドの名曲をノリノリで披露。『glee/グリー』音楽総指揮のアダム・アンダースが本作でも音楽総指揮を務めており、“オトナ版グリー”といった趣もある。

 一方、『BUNGO~ささやかな欲望~』(9月29日公開)は、昭和の文豪たちが残した傑作短編を、30~40代の気鋭の監督らが映像化したオムニバス作品。全6作品を3作品ずつ「見つめられる淑女たち」編と「告白する紳士たち」編に分け、2編はそれぞれ別料金で上映される。

 「見つめられる淑女たち」編に含まれる『注文の多い料理店』は、宮沢賢治の有名な原作を『パビリオン山椒魚』(06)、『パンドラの匣』(10)の冨永昌敬監督が映画化。山で狩猟中に迷子になった藤子(石原さとみ)と左右吉(宮迫博之)は、山猫軒という西洋料理店を見つける。次々に出される奇妙な指示に従い、店の奥へと進んでいく2人だったが……。原作の若い紳士2人を不倫カップルに置き換えた脚本(菅野友恵)が、ストーリーの奥行きと陰影を深めた。冨永監督らしいユーモラスでシュールな世界観とこだわりの音響効果が絶妙だ。同時上映は『乳房』(三浦哲郎原作、西海謙一郎監督、水崎綾女ほか出演)と、『人妻』(永井荷風原作、熊切和嘉監督、谷村美月ほか出演)。

 「告白する紳士たち」編に含まれる『握った手』は、坂口安吾の原作を『リアリズムの宿』(03)、『マイ・バック・ページ』(11)の山下敦弘監督が映画化。内気な大学生の松夫(山田孝之)は、映画館で衝動的にOL・綾子(黒木華)の手を握り、握り返されたことから綾子と付き合うことに。女性心理に不安を抱いた松夫は、心理学に詳しい女学生・由子(成海璃子)の手を唐突に握ってみるが……。山下監督の“ダメ男三部作”を彷彿とさせる松夫のキャラクターがいい味。山田と成海のシリアスな演技がじわじわと笑いを誘う。同時上映は『鮨』(岡本かの子原作、関根光才監督、橋本愛ほか出演)と、『幸福の彼方』(林芙美子原作、谷口正晃監督、波瑠ほか出演)。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『ロック・オブ・エイジズ』作品情報
<http://eiga.com/movie/56679/>

『BUNGO ささやかな欲望 注文の多い料理店』作品情報
<http://eiga.com/movie/77359/>

『BUNGO ささやかな欲望 握った手』作品情報
<http://eiga.com/movie/77357/>

最終更新:2012/09/21 23:00
ページ上部へ戻る

配給映画