元オウム追っかけギャルたちが語る、幹部たちとの思い出
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元オウム追っかけギャルたちが語る、幹部たちとの思い出 – Business Journal(9月14日)
を報じる8月15日付日経新聞。
地下鉄サリン事件の悪夢から17年。
長期にわたって逃亡生活を続けていたオウム真理教(以下、オウム)元信者である菊地直子、平田信、高橋克也の3名の容疑者が、昨年末から今年にかけ、立て続けに逮捕され、世間を賑わせた。
その一方、オウムの後継教団「アレフ」への入信者は現在増加傾向にあり、今年6月時点で1300人に達しているとの報道も見られる。
そんな、決して“過去の遺物”とはいえないオウムであるが、サリン事件を起こした1995年当時、連日のようにオウム報道が加熱する中、オウム真理教幹部の追っかけギャル(一般人女性)が生まれ、全国規模のオウム・ファンクラブまで結成されていたことをご存じだろうか?
ファンクラブの誕生
サリン事件後の報道で人々を驚かせたのは、教団の起こした事件の凶悪さ、教義の異様さだった。しかし、それと同時にオウム幹部の中に、意外にもイケメンや美女が多いことも、テレビの前の人々の興味を惹き付けた。
一連のオウム報道が盛り上がるにつれ、こうした幹部たちの露出も増え、彼らに魅了される一般人の数が密やかに増えていった。教祖・麻原彰晃による「洗脳」「マインドコントロール」というキーワードが、美顔の幹部たちに“犯罪者”というよりはむしろ“被害者”、あるいは“悲劇のヒーロー・ヒロイン”的な彩りを添えたせいもあるだろう。
そして、地下鉄サリン事件の2カ月後のゴールデンウィーク直後には、オウム幹部の追っかけギャルが登場し、6月には全国規模のファンクラブが結成されていたのだ。
当時、教団と連携を持ちながら全国規模で活動を続けていた主なファンクラブは2つ。
一つは、上祐史浩のファンをメインとした「くるたん」(オウムの修行服「クルタ」をもじったネーミング)。もう一つは、オウム幹部全般のファンから結成された「JACS(ジャックス)」(「上祐史浩・青山吉伸 CLUB その他」の頭文字)。ファンクラブ会長が某有名バンドのファンクラブ副会長として経験を積んでいたとの噂もあり、ファンへのイベント告知や教団との連携は、案外スムーズだったようだ。
正式な統計はないものの、圧倒的にファン数が多かったのが、教団スポークスマンとして「ああ言えばじょうゆう」という流行語を生んだ、緊急対策本部長・外務省大臣の上祐史浩氏だ(現「ひかりの輪」代表役員)。次が、おとなしげな童顔で弁護士資格も持つ法務省大臣の青山吉伸(02年有罪判決。09年出所)。彼らについでファンを集めていたのが、理系男子の科学技術省大臣・村井秀夫(95年4月刺殺)、スキンヘッドで武闘派の自治省大臣・新実智光(10年2月死刑判決)などだった。
また、非常に数少ないながら追っかけ男子も存在し、彼らには大蔵省大臣・石井久子、西信徒庁長官・都澤和子といった“お姉さんキャラ”が人気だったようだ。
ファンクラブの活動
ファンクラブを構成する会員、無所属の追っかけメンバー数は、非公開ながらほぼ100%が女性。20代が中心で、ほかは10代、30代。中には子連れで地方から上京し、教団がファンクラブ向けに開催した説法会に参加する“追っかけ主婦”もいた。
「もちろん夫にはナイショ。親にもナイショ。コンサートに行くからって言って上京して日帰りよぉ! だってさ、普通にアイドル追っかけるのとは違って、いろいろ差し障りがあるでしょ」
と、1歳の娘を抱いて四国からサティアン杉並(東京)の説法会に参加していた30代前半の主婦は笑顔で語っていた。
当時、教団はこういった追っかけギャル向けの説法会、ヨガ講習会、オウム食のディナーパーティー、オウムソングのカラオケ大会といったイベントをたびたび開催していた。
ごく一部のメディアでも、彼女たちの存在や説法会の模様は取り上げられていたが、その内容の多くは事実と異なったもののようだ。
たびたび説法会に参加していた元ファンクラブ会員・Aさんは、次のように語る。
「雑誌やテレビのワイドショーでは、『上祐が出てくると会場にはキャーッ!という黄色い声が上がった』とか『地味なクルタの中で、ギャルたちのタンクトップやミニスカートなど、肌もあらわなファッションが目を引いた』なんて書かれたけど、完全にガセ! 教団からファンクラブを通じて『修行の場ですから、肌の露出のない服装で』『体育座りになるので、スカートは控えて』というお達しが来てたから、みんなジーンズにTシャツみたいな地味~な格好で行ってたのよ」
Aさんによると、説法壇の前のせまいスペースに、30~40人のファンクラブ会員が体育座りをして説法を聞いて、説法する上祐史浩との距離は近く「前のほうに座ると、上祐っちの足の指毛まで数えられちゃう」ほどだったという。「会場にギャルたちの黄色い声が……」という報道も、参加者たちは一様に否定する。
「だって一応、出家してるお坊さんの説法でしょ? なのに『キャーッ!』なんて不謹慎な声を出すファンはいなかった」
「会場は静かだったよ。みんな黙って話を聞いてたもの。中には寝ちゃう子もいたけど」
ファンクラブから信者への道は遠い?
こういった追っかけギャルが、信者になる危険性を懸念する人々もいたようだが、彼女たちが信者に“昇進”するケースは、皆無とは言い切れないまでも、ほとんどなかったようだ。
なぜなら、世間の批判を一身に浴びていた教団側が、ほぼ唯一接点を持てる一般人である追っかけギャルたちへの布教に対して、非常に慎重だったからだ。
しかし、それ以外にも、信者と追っかけギャルたちの間には、越えようにも越えられない厚い壁が存在していたのある。
その壁とは、
「教祖・麻原彰晃のビジュアルを受け入れられるかどうか?」
という一点に尽きるようだった。
ファンクラブの会員だった女性たちの、麻原に対する感情は、おおむね次のようなものばかりだった。
「あの顔と体形、ぜーったい無理!」
「テレビに映す時、モザイクかけてよねー」
「顔も髪形もやだ! 確実にアブラ性」
ギャルたちはイケメン幹部たちに熱い視線を向け、教団主催のイベントに参加し、教団ショップでオリジナルグッズ(幹部の似顔絵入りマグカップや、幹部の写真入りの教義本など)を買っていった。獄中にいる“意中の人”に差し入れをし、雑誌に載る写真でスクラップブックをつくるなど、派手でなおかつけなげな行動を取り続けながらも、ボスである教祖・麻原彰晃に対しては一貫して厳しい目を向け続けていたのだ。
ファンクラブの衰退
オウムショップやファンクラブが盛り上がったのは、95年5月から9月頃にかけての、ほんの短い間。つまり、オウムがサリン事件で注目を浴びた直後から、同年9月、実行犯・岡﨑一明の自首によって坂本堤弁護士一家の遺体が発見されるまでの、ほんの数カ月の期間なのである。
坂本弁護士一家の遺体発見報道を境に、ファンクラブは急速に衰退していくことになる。
クラブの元会員たちは、その頃の様子を次のように語る。
「やっぱり殺人してたんだ、って思ったら引いちゃった。一緒に追っかけてた子たちも、一気にトーンダウンしたし」
「最後にオウムショップに行った時、顔見知りの信者の子たちに『もうやめようよ』って言ったんだけど、やっぱり彼女たちは『信じてますから』って……」
一部、ファン活動を続けた追っかけギャルたちもいたようだが、その多くは9月を境に“卒業”していき、何事もなかったかのように普通の社会人や学生、主婦に戻っていった。
ファンクラブの主催者たちも公安警察の取り調べを受けるなどし、活動の継続が困難になり、立ち消えていくことになる。
彼女たちは、当時の追っかけ行為をこう振り返る。
「よくもまあ、あんな馬鹿なことしてたもんだと思う。でも、極悪な教祖に操られて必死に教団を守ろうとする幹部たちって、すごくけなげで一生懸命に見えたのよね」
「いずれはダメになるのがわかってても、必死にその流れに抗おうとする姿にキュンときたっていうか……。といっても、教義とか、宗教とか全然興味持てなかったけど」
現在、オウムは「アレフ」と「ひかりの輪」に分裂。その信者の数は、00年の教団の破産を機に、大幅に減少した。
ファンクラブの「くるたん」も「JACS」も今はなく、当時の会員たちのほとんどは、社会人や家庭人として、ごく普通の生活を送っている。
オウム追っかけギャルとファンクラブ。それは、当時の祭り的ともいえるオウム事件の陰に咲いた徒花だったのかもしれない。
(文=玉置美螢/ライター)
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