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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > “邪道”弟子が語る談志の伝説

家元・立川談志が落語界に遺したものとは? 『立川流騒動記』立川談之助インタビュー

■談志没後、立川流はどうなる?

──談志師匠が亡くなって半年以上がたちました。立川流は一番弟子の土橋亭里う馬師匠が代表として就任しましたが、何か変わったことはありましたか?

談之助 これまた特にはないですね(笑)。理事は世代別で6人(立川左談次、談四楼、談幸、志の輔、志らく、雲水)が就任しましたが、何も決まっていません。ただ、上納金は廃止したので、これだけは本当よかったです(笑)。主だったものはこれだけですね。

──立川流が、芸術協会と圓楽党と組んで新宿末廣亭で興行を打つという話もありましたが……。

談之助 うーん。まあ寄席が好きな人は出るでしょう。ただ、現実問題として寄席はギャラが安いので、全員が全員出ることはないと思います。

──志らく師匠が「立川流は最終的に流れ解散になる」と言っていましたが、これについては?

談之助 これは私もそう思います。なんといっても、師匠は「勝手に生きろ」とよく言っていて、本当にその言葉通りに生きて、その言葉通りに死んじゃった。だから、弟子にも死ぬことを伝えなかったし、葬式にも呼ばなかったんです。自分が一番勝手なんですよ。本当に弱りましたよ(笑)。ですが、これは談志の愛情なんじゃないかと、最近は思っています。生きている間は「俺の言っていることを守るんだ」と言っていましたが、死んでしまったら、もうおしまいでいい。「解散するも勝手だし、立川流を守るのも勝手にしろ」と、あの世で言っているような気がしますね。だから、私個人は「解散でもいい」と思っていますよ。そもそも立川流は立川談志がひとり作り上げたものですからね。しかも、私は落語協会を抜けて勝手に独立した立川談志の弟子なんだから(笑)。しかしねぇ、あの突然の死に方はやっぱり驚きましたよ。

──某新聞には「死」を隠すのは、「談志のダンディズムだった」と書かれていましたが……。

談之助 ダンディズムなんかじゃないですよ。だって、隠す理由がまったくないんですもん(笑)。「隠してどうすんだ?」と、こっちが聞きたいくらいです(笑)。だから、これこそが「立川談志」だと、私はあらためて知ることになった。「俺は冗談なんだ。世の中を騒がして、舐めて生きたんだ」という言葉を自分の死で表現しちゃった。あれは弟子から見ても「やられた!」って感じですよ。私なんかもう40年近くも弟子でいるのに、ひっくり返っちゃいましたから(笑)。もう、最高のギャグですよ。参りました!

──あらためて立川談志のすごさがわかりました。ありがとうございました。では最後に一言お願いいたします。

談之助 そうですね。落語に興味のある、もしくは興味をもち始めた方にぜひ読んでいただきたいですね。戦後の落語界を騒がした大きな騒動、大量真打ち昇進問題、圓生の独立、そして立川流創立。この本に書いてあることは全部事実ですから。なぜ今の落語界はこんな状態なのか? という疑問は、この本を参考にしていただいたらわかると思います。皆さん、何卒よろしくお願いします。

『立川流騒動記』出版記念 「どうする?どうなる?立川流!」
【出演】唐沢俊一、立川談之助、立川談笑ほか
日時:9月17日(月/祝)OPEN 12:00 / STRAT 13:00
前売¥1800 / 当日¥2000(共に飲食代別)
(会場/お問い合わせ)新宿ロフトプラスワン
新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 TEL 03-3205-6864
web http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/

最終更新:2012/09/15 15:00
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