「ブサイクすぎるジャニーズ」Kis-My-Ft2の出演に見る“王道アイドル”の衰退
#テレビ辛口研究所
昨年デビューを果たしたジャニーズのグループ「Kis-My-Ft2」が“ブサイクすぎる”とネットで話題になったことを逆手にとったバラエティ『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系)が8月18日(土)と9月1日(土)の2回にわたって放送され、話題になっていた。
この大胆な切り口には「冠番組なのに、BUSAIKUwww」といった笑いや、「ジャニーズなのにブサイクって、アリだったの!?」といった驚きの声が続出していた。
だが、アイドルウォッチャーの週刊誌記者は言う。
「『キスマイBUSAIKU!?』の面白さは、タイトルがほぼすべてで、中身は意外と普通のバラエティでしたね。そもそも『アイドルなのにブサイク』ということを番組のタイトルにしたことは画期的ですが、最近のアイドルはAKB48にしても、ももいろクローバーZにしても、『アイドルなのに、バラエティにも真剣』とか『アイドルなのに叩き上げ』とか言われていたり、『アイドルなのにあえて~』な邪道アイドルばかり。むしろ今は、『アイドルなのに~』といった逃げ道を作らない、真正面からきっちりアイドルをやってる“王道アイドル”のほうが絶滅寸前になっている気がします」
確かに、最近は「国民的アイドルなのに、ファンに対するストーカーまがいの恋愛を週刊誌に報道されて、九州に行った人」とか「アイドルなのに、泥酔&号泣して俳優に抱えられてお尻丸出しスクープをされた人」など、「アイドルなのに~」な邪道アイドルが主流となっている感はある。いったいなぜなのか? あるバラエティ放送作家は言う。
「SMAP以降はアイドルでもバラエティができるのは当たり前になってますし、今は歌番組自体があまりありませんから、歌番組でアイドルとして露出していくよりも、バラエティで人気と知名度を獲得していくほうが、一般的になっていますよね。また、ユルくて、ちょっと手が届きそうな“近くのお兄さん”的な嵐が売れたことも、そうした流れに拍車をかけたのではないかと思います」
では、“王道アイドル”は、今はやっぱりいないのか? 前述の記者は言う。
「キラキラした王道アイドルといえば、Hey!Say!JUMPあたりもそうかと思いますが、さらに旬のところでいくと、キスマイと同じく昨年デビューしたジャニーズのグループ『Sexy Zone』ですね。正統派の美形センター・佐藤勝利のほか、光GENJIの諸星和己に似た中島健人、昔の近藤真彦のような雰囲気のある菊池風磨がいて、昔のアイドルファンにもウケそうに思えるのですが、売り上げや知名度・人気はいまひとつ伸び悩んでいます。ただ、ハロプロに夢中になっていた男性ファンが、セクゾンにおりてきている流れもあって、コンサートには男性の姿もチラホラ見られるようですよ」
時代の流れとしては、「王道アイドル」の需要はあまり高くないようで、かなり不利な形勢にありそう。だが、たまには「清潔で真面目で、全身でキラキラを放つ」正統派のアイドルがいてもいい気はするのだが……。
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