震災から1年半……「傷ついた心の復興は進んでいない」福島のいま
2012/09/14 21:00
#東日本大震災 #原発事故
では、震災から1年半「しか」たっていない状況で、わたしたちが目指していく「復興」とはなんなのだろうか? 何が達成されたら、「復興した」ということができるのだろうか? 最後に、今回の滞在中に経験したある出来事を記して拙稿を締めくくりたい。
1年前に訪れた時、Jヴィレッジ前の検問付近には、どこか物々しい雰囲気が漂っていた。赤いサイレンが明滅し、数台の護送車と10人ほどの警察官が警備にあたっていた。国道6号線を歩く人もおらず、歩道には伸びきった夏草が刈り取られないまま放置されていた。
だが、今回同じ場所を訪れた時、昨年とは異なった感覚を味わった。検問がないこともそうだが、そこには除染作業や工事を行っている人の姿があり、1年前は国道を走る車の音しかしなかった場所で、重機を動かす音や、何かを話している人の声も聞こえてきた。最前線の物々しい雰囲気はそこにはなく、人間が生活をしている時間が流れていたのだ。1年を経て体験した時間の流れ方の変化は、建物や道路が元に戻る以上に「復興へ近づいた」と感じられた。
(取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])
最終更新:2023/01/27 13:00
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
03:20更新
イチオシ記事
現役ヤクザも視聴する78歳の元山口組顧問弁護士・山之内幸夫が「アウトロー系YouTuber」に大転身した驚愕の理由