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早くも続編製作決定! 名優デンゼル・ワシントン主演『デンジャラス・ラン』

dangerousrun.jpg(C)2012 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
9月7日(金)より、TOHOシネマズ 有楽座ほか全国ロードショー(PG-12)

 今週紹介する新作映画2本は、架空のストーリーを楽しみながら現実の世界を垣間見ることができる、いわば“一粒で二度おいしい”お得感たっぷりの作品たちだ(いずれも9月7日公開)。


 『デンジャラス・ラン』は、デンゼル・ワシントン、ライアン・レイノルズ主演のサスペンスアクション。CIAを裏切り各国で指名手配され、10年間逃亡を続けていた元工作員フロスト(ワシントン)が、南アフリカにあるCIAの収容施設(セーフハウス)に収監される。そこの管理を任されていた新人工作員のマット(レイノルズ)は、武装集団の襲撃を受けて味方が全滅する中、かろうじてフロストを連れて脱出。心理的な揺さぶりをかけ逃亡の機会をうかがうフロストと、彼を別の収容施設へ連行しようとするマットに、正体不明の勢力が迫る。

 『トレーニング・デイ』(01)の悪徳警官、『アメリカン・ギャングスター』(07)のボスなどで強烈な悪役も演じてきた名優デンゼル・ワシントンが、本作でも元CIAの犯罪者役ですごみのある演技を披露。若手スターのライアン・レイノルズと共に、カーチェイス、銃撃戦、肉弾戦といった激しいアクションに挑んでおり、2人の関係性の変化に注目すればバディ・ムービーの発展形としても楽しめる。セーフハウスでの描写や実行する作戦などで元CIA関係者がアドバイスするなど、外交の裏側で実際に何が行われているのかをうかがい知ることができる点も見逃せない。

 もう1本の『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』(R15+指定)は、喜劇俳優サシャ・バロン・コーエンが架空の独裁国家の元首に扮する風刺の効いたコメディ。世界一危険な独裁者アラジーン(コーエン)は、国連サミットに出席するためニューヨークを訪れるが、何者かに拉致されトレードマークのヒゲを剃られてしまう。隙をみて脱出するものの、人相が変わってしまったため誰からもアラジーンだと信じてもらえない。側近のタミール(ベン・キングズレー)は独裁者の影武者を立てて何やら陰謀を企てている様子。どうにかサミットに潜り込もうと、会場に食事を配達する予定の自然食品スーパーで働き始めたアラジーンは、博愛主義者の店主ゾーイ(アンナ・ファリス)と恋に落ちてしまい……。

 コーエンは、2本の主演作『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』(06)と「ブルーノ」(09)を通じ、架空のキャラを現実の社会で演じる独特なフェイクドキュメンタリーを世界に知らしめた。今作は純然たるフィクションだが、文化摩擦が生み出す気まずさを笑いに転化する“芸風”は健在。最近死去した北朝鮮の権力者のそっくりさんが登場したり、ハリウッドセレブが独裁者の夜のお供をする様子を描いたりと、キワどい笑いが続く。アラジーンの演説の中には「1%の富裕層が富を独占する、金融危機を招いた銀行を国税で救済する、選挙で投票数をごまかす」といった具合にアメリカを痛烈に皮肉る場面も。ユーモアに包まれた真摯なメッセージを受け止め、わが国を含む「民主主義国家を名乗っている国は、本当に“民主的”なんだろうか?」と自問するのも有意義だろう。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『デンジャラス・ラン』作品情報
<http://eiga.com/movie/56726/>

『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』作品情報
<http://eiga.com/movie/58128/>

最終更新:2012/09/07 21:00
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