ソーシャル化で大炎上中! ウェザーニューズが“誤解”に弁明
#Business Journal
石橋 リポートで集まった空の画像をトップ画面に持ってきたことで、今まで天気情報に直でアクセスしていて利便性を感じていた会員が戸惑ったことが第一でしょう。また、名前の登録を求めたことで、「ついに有料化に舵を切った」と勘違いされてしまったことが挙げられます。確かに有料のサービスは何点かあるのですが、実は無料のものが有料になったということは一切なくて、むしろリポートが無料になった分、無料の範囲が広がったんです。我々が事前のコミュニケーションを怠った結果であると、深く反省しています。
西 空の画像をトップに持ってきたのは、先ほど説明した経緯によって「この仕組みは面白い」と、内部で勝手に盛り上がってしまってですね……。ぜひ、皆さんにも使って頂きたいということで、目立つところに配置してしまったんです。ただ、初期の頃から実装していた「My Ch.(マイチャンネル)」という機能を使えば、トップ画面の変更は可能なんです。今回わかったことは、我々が思っている以上に、そういった機能が浸透していなかったこと。現状では、ただ単に天気情報だけを見ている会員が多かったのでしょう。
――事前の説明不足と、認識の誤りが混乱を招いてしまったと言うことですね。そこまでして、今回のリニューアルによる方向転換を推し進める理由はどこにあるのでしょうか?
石橋 リニューアル後に、1日に届くリポート数が5000通から3万通に伸び、リポーター数も30万人から180万人に急増しています。重要なのは、これらの情報を天気の解析に役立てることです。実際に、リポーターから送られてくる天気報告を分析した「10分天気予報サービス」と気象庁の予報を比較したところ、リポーターの報告を元にした方が平均で19%も精度が高いことがわかっています。今まで一方通行だった予報の仕組みを双方向にしたことで、これだけの効果が出るんです。FacebookやTwitterがコミュニケーションに革命を起こしたなら、『ウェザーニューズタッチ』は気象に革命を起こす可能性があります。スマートフォンやブロードバンドの普及がそれに拍車を掛けるでしょう。
――革命とはまた壮大ですね。
石橋 はい。もしくは、壮大な社会実験だと言うことができるかもしれません。天気予報の精度は100メートル走の世界記録みたいなもので、1%上昇させるのに大変な労力と予算がかかるんです。19%も上回ることは、これまでの常識をくつがえす結果だと言えます。
西 先ほどの、ゲリラ雷雨の話で言えば、今の科学では予測が困難だということを気象庁も言っていて、そのために気象庁は新しいコンピューターを増強している状況です。科学が追いつかないならば人の力でどうにかできるんじゃないかと思う結果だと思います。
石橋 観測機を設置するのは莫大な予算がかかりますが、携帯電話だったらほとんどの国民が持っています。しかも、今後、かなりの確率でスマートフォンに変わっていきます。
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