トーハン会長の引退で出版界の地殻変動が始まった!
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トーハン会長の引退で出版界の地殻変動が始まった! – Business Journal(8月31日)
(「Wikipedia」より)
「はっきり言ってほかはどうでもいい。だが、これらの書店だけは持っていかれたくなかった」と、あるトーハン社員は嘆いた。
大口の取引先である丸善書店の売上トップ3店舗=丸の内本店(東京)、日本橋店(同)、ラゾーナ川崎店(神奈川)が、9月1日からトーハンのライバルであり、現在は業界トップの取次会社(出版物の卸業)である日本出版販売(日販)に帳合変更(取引する卸会社を変更することを指す出版業界用語)するという事態に至ったからだ。3店合わせて年商が100億円近くもあるというからただ事ではない。これらに加えて、9月27日に名古屋栄店が移転オープンする丸栄百貨店の店舗も、日販をメインの取引先にすることになっている。
ある中堅出版社の営業幹部は言う。
「はじめにこの話を聞いた時は正直信じられなかった。今年に入って、同じDNP連合の文教堂さんが、売上上位店を中心とした18店舗をトーハンから日販に変更している。同時にジュンク堂書店が買収したビッグウィルも8店ほど大阪屋(業界3位)に切り替えるとも聞いた。うちあたりだと、丸善さんが帳合変更するだけでトーハンと日販に対する初回の配本部数が変わってくる商品もある。なぜこうなったのか、社長から調査するように言われているのだが……」
なぜ有名書店が雪崩をうってトーハンから離脱することになったのか? 直接のトリガーとなったのは「トーハンの皇帝と呼ばれる上瀧博正氏の迷走によるトップ交代劇にある」と出版社役員は指摘する。(トップ交代劇についてはビジネスジャーナル「暴走トーハンに抗う講談社社長の狙いは取次会社の中抜き?」を参照いただきたい)
「上瀧氏の暴走による新体制移行の顛末に反感を抱いたDNP連合の幹部が、トーハンからの離脱を決断したと聞く。元々、上瀧氏は業界内でも“老害”とみられていた。こうした彼個人への不信や反感がそのままトーハンという会社の信頼低下に繋がったのだろう。いい意味でも悪い意味でも上瀧氏がその権力でトーハンという企業を守ってきたのは分かる。だが、その結果はどうだったのか、よく考えてみてほしい」
これにたいして、日販による戦略的な帳合変更だったのではないか、とみる業界人もいる。なぜなら今年6月に四国の書店チェーン・明屋書店がトーハンの資本を受け入れ、同社に帳合変更すると発表したからだ。
一方、ある取次関係者は「日版は、明屋書店の分を巻き返すためだとしても、わざわざ紀伊國屋書店ににらまれてまで、丸善を引っ張ってこないはず。まして13年のゴールデンウィークには紀伊國屋書店の梅田2号店が2000坪で出店する計画と聞いているが、この取引を日販はモノにしたいだろう。今回は取次の思惑ではない。ただ、丸善の取引条件は、ほかの大手に比べてそれほど好条件ではなかったようだ。丸善書店の工藤恭孝社長には、いい条件に改定する狙いもあったのかもしれない」と明かす。
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