日本では報じられない、イチロー移籍の本当の理由とは?
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こうしたバッシングの強さは、シアトル在住日本人の1人として、正直なところ不思議なほどだった。いくら今期、振るわなくても、2001年から11年半、10年連続200本安打をはじめいくつもの歴史的偉業を成し遂げた選手である。
愛されなかった偉大な選手
でも、なぜイチローはこれほど偉大な選手でありながら、シアトルで、「愛される選手」にはなれなかったのだろう?
移籍が決まってからの報道を目にするうちに、イチローが愛されなかった理由は、だんだんわかってきた。
一つは、チーム内で突出した高年俸。
イチローが、シアトルの球場でヤンキースの選手として試合に登場するというイキな演出で、電撃的移籍を発表した7月23日。この期に及んでも、まだシアトル・タイムズはイチローに手厳しかった。
「イチローの5年契約のうち、意義のあったのは最初の年、08年だけだった」(7月23日、ベイカー記者ブログ)
同紙によると、イチローの契約は08年から5年間で9000万ドル。しかし10年には、イチローともう1人の高報酬選手の合計で、チーム年俸のほぼ3割を占めていたのだ。
もう一つは、リーダーシップのなさ、つまり「チームの顔」としての意識の欠如。
「準備に黙々と専念する姿は『自分勝手』ととられたし、チームのリーダーたろうとしない姿勢はプロフェッショナリズムというより、大きな問題だと受け止められた」(7月24日、ブルワー氏コラム)
批判を買った独自のスタイル
また、成績が下降してくると、独特のプレースタイルにも、文句がつけられた。
「イチローは彼のルールでプレーをしていた。彼がバントをするのは、自分がしたい時。バントのサインが出ているのに、しないことも多かった。盗塁のサインも頻繁に無視、彼が走るのは彼が走りたい時、走りたくない時は走ろうとしなかった。イチローは、イチ『ノー』であることが多すぎた」(8月3日、ケリー氏コラム)
ほかの若手選手と話をしない、英語がかなり話せるのに、アメリカの記者会見では必ず通訳を使って日本語で話す、といったイチロー流のスタイルは、アメリカの野球ファンにも理解されなかったようで、シアトル・タイムズ読者欄にも厳しい意見が載った。
「かなり完璧な英語を話すらしいのに、一貫してインタビューや会見では日本語しか話さなかった。これもリーダーシップ欠如の表れだ。最後の挨拶くらい、英語でやってくれてもよかったんじゃないか。がっかりした」(7月29日)
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