日本では報じられない、イチロー移籍の本当の理由とは?
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日本では報じられない、イチロー移籍の本当の理由とは? – Business Journal(8月31日)
YORK YANKEES」より
「イチローがいなくなってから、マリナーズがめっきり強くなったよね。どうしちゃったんだろう」
とはシアトル在住の、ある日本人女性の弁。
日本人にとっては、シアトルといえばイチローのいる街。シアトル・マリナーズの本拠地セーフコ・フィールドは、シアトル観光の目玉でもある。イチロー効果の甲斐あって、昨年シアトルを訪れた外国人観光客は、日本人が最も多かった(米商務省調べ)。
だから7月23日(現地時間、以下同)の「イチロー、NYヤンキースへの電撃移籍」はシアトルにとって大打撃――。
と思いきや、シアトルのメディアは「イチロー放出は正解だった」と大騒ぎなのだ。というのも、当のマリナーズがイチロー移籍後、憑き物が落ちたといわんばかりに、絶好調なのである。
イチローの抜けた7月23日から1カ月余り、8月29日までの勝率は6割を超えている。開幕から7月22日までは、わずか.433だったのだが。順位こそ今もアメリカンリーグ西地区最下位ではあるが、「イチロー不在」マリナーズの勝率は、同リーグ首位、ダルビッシュ有投手のいるテキサス・レンジャーズの通算勝率をも上回っている。
イチロー・バッシング
日本ではあまり報じられていないが、今期、シアトルでの「イチロー・バッシング」は、目を覆いたくなるほどひどかった。
とりわけ、シアトル唯一の日刊紙「シアトル・タイムズ」はすごかった。連日のように、野球担当のコラムニストや記者たちが、イチロー批判を展開した。
「マリナーズは、落ち目のイチローをどうするんだ?」(6月20日掲載)
筆者のコラムニスト、スティーブ・ケリー氏はイチロー批判の最右翼。選手の入れ替わりの激しいチームにおいて、いつも右翼、一番に据えられたイチローの存在は「自然の法則のようだった」。けれども「それはもう、何百打席も昔の話。僕らが思っていたよりずっと急激な衰えが、彼を襲う前の話だ」とばっさり。
「どんな偉大な選手でもキャリアの末期はそうであるように、彼は今38歳、坂を転がり落ちている。そして今シーズン、チームにとって彼の価値は小さすぎる」
舌鋒は打撃のみならず守備にも及ぶ。
「彼は10年連続でゴールド・グラブを受賞した。でも今や、チームで一番の右翼手ですらない」
6月22日には「マリナーズはイチローをどうするのか?」とのタイトルの記事。ジェフ・ベイカー記者は、今期末で5年契約を終えるイチローの処遇を、監督ははっきりさせるべきだと迫る。
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