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日刊サイゾー トップ > 社会  > 盛り上がりを見せる脱原発デモの行く末は? 成田闘争に見る、“未決着”市民運動の現在

盛り上がりを見せる脱原発デモの行く末は? 成田闘争に見る、“未決着”市民運動の現在

 当時を知る地元の元空港公団職員も「確かに、空港と住民との間に『ボタンの掛け違い』があった。公共事業の進め方として反省すべき点は多い」と過去の過ちをはっきりと認めている。昨年6月、空港公団では芝山町に「成田空港 空と大地の歴史館」を建設。成田空港の建設にまつわる反対運動の歴史をまとめた資料を展示している。そこに設置された記帳台には、はるばる福島から訪れた人もその心境を書いており、空港によって故郷を追われた人々に対するシンパシーを綴っていた。

 安心して暮らせる社会を目指して脱原発に舵を切るのか、それともこれまで通り原発と共に暮らす経済優先の道を選ぶのか、その決着はまだ見えない。脱原発運動がどのような結果となるにしろ、「声を上げない」「政治に無関心」と言われていた国民が、10万人以上も集まって運動に参加しているという現実は、日本社会にとっても大きな意味を持つ。政府・市民双方が、成田闘争をはじめとする過去の政治運動の反省を踏まえ、このデモ活動が私たちの明るい未来につながることを期待したい。
(取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])

最終更新:2012/08/29 16:00
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