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盛り上がりを見せる脱原発デモの行く末は? 成田闘争に見る、“未決着”市民運動の現在

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 このような経緯を経て、成田空港が開港したのは1978年。だが、開港から30年あまりの月日を経ても、買収に応じずいまだに生活を続けているのが東峰・天神峰地区の人々だ。

 実際にこの地区に足を踏み入れると、ゲバ文字で書かれた看板のほかに「らっきょう田舎漬 小売販売します」といったものや、「オーガニック&スローフード」といった看板までも並んでいる。また、空港に隣接した別の未買収地域には、「三里塚空港粉砕!」の言葉とともに「TPP反対」といった最新のメッセージまでもが加えられていた。

 また、東峰地区には、「東峰神社」と呼ばれる地域の神社も残されている。資料によれば、戦前に地元住民によってしつらえられたものだそうだが、空港の敷地を示す白い塀で四方を囲まれた境内は、異様な空間としか思えない。過激派の動きに備えてか、常時警備がなされているようで、そこに赴くと空港敷地内からは警備員が、道路側には警察車両がいつの間にか待ち構えていた。職務質問などはなされなかったが、正直、居心地がいい場所ではない。

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 地域の住人に話を聞いたところ、現在でも十数名の人々が東峰・天神峰地区で生活を送っているという。ただ、かつてのように強硬な反対運動を続けているわけではないようだ。

「多くの住人が『闘争は終わった』という認識です。徹底抗戦をして飛行機を止めようと言っている人は極めて少数です」

 彼によれば、空港側からも「ここに住み続けていい」という認定を得ており、警察からの圧力もないそうだ。では、いったいどうして彼らは、お世辞にもよい環境であるとはいえないこの地域に住み続けているのだろうか? 長い空白の後に、彼はためらいがちに答える。「……まあ、過去をそのまま引きずっているという面が強いのでしょうね」

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