トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 拉致問題解決は間近!? 金正恩第一書記が日本政府へメッセージ?

拉致問題解決は間近!? 金正恩第一書記が日本政府へメッセージ?

 佳作の文春の記事は、今の大新聞のお粗末さを浮き彫りにしていて興味深い。

 読売新聞西武本社社会部記者が、福岡県警の暴力団捜査について取材した内容を、他社の記者たちに誤送信していた“事件”は、なんともお粗末である。

 そこには、県警の東署警部補が暴力団関係者から、捜査上の便宜を図った見返りに現金を受け取っていたという情報が書いてあった。記者は慌てて受信者全員にメールを送信して削除と情報が漏れないように依頼し、社会部長にも報告していた。だが、読売新聞は翌日、その取材メモの内容を元に朝刊一面トップに記事を掲載してしまうのだ。

「『取材源の秘匿』を大原則にすれば、あり得ない判断である」(文春)

 他社もやむなく読売の記事の後追いを始め、取材源として県警警務部監察室のX警視の名が浮上してきた。そしてX警視は自殺を図った。幸い一命はとりとめたが、捜査中の情報を漏らしたという警察内部の非難の目に耐えられなかったのであろう。

 取材源を守るというジャーナリストとして最低限度のことさえ、今の新聞は忘れかけているようだ。

 竹島、尖閣諸島をめぐって緊張が増している。週刊誌を読んでいるといつ戦争が起きても不思議ではない雰囲気である。中でも、この手のものでは「老舗」の強みを発揮しているのが文春と新潮である。

 新潮は、タイトルは「尖閣」だが、もちろん中国だけではなく韓国にも言及している。

 両誌を読んで感じるのは、韓国に対して厳しい論調が目立つようだ。文春は李明博大統領の肉親や側近20人が逮捕されていて、彼が大統領の座を退けば50%の確率で逮捕されるのではないかとこき下ろしている。

 私は不勉強だから、尖閣諸島と竹島をめぐってなぜこのように対立が深まるのかよく理解できなかったが、新潮がこの素朴な疑問に答えてくれているので、こちらを佳作とした。

 先日の野田佳彦首相の記者会見でも同様のことが述べられていたが、ときの首相が国民に説明するのは珍しいことのようだ。

 江戸時代から日本人は尖閣諸島を利用していた。最盛期には200人を超す定住者がおり、1895年に明治政府は「これらの島々が他国に属していないことを慎重に確かめた上で日本の領土として編入」(新潮)したのだが、1968年に尖閣諸島の近海に石油が埋蔵されている可能性が指摘され、71年になって中国と台湾が領有権を主張し始めたというのだ。

 一方、竹島は1905年に「明治政府が、尖閣諸島と同様に、周辺諸国の占有がなされていないと判断した上で閣議決定により島根県に帰属する官有地として実効支配を始めた」(新潮)とある。

 これを見ると、尖閣諸島はともかく竹島のほうは「日本固有の領土」とするにはやや根拠が弱い気がする。そのためか、韓国は李承晩大統領のときに「李承晩ライン」なる境界線を引いて韓国領土に組み入れ、以降警備兵を常駐させるなどして「実効支配」を続けている。

 この中で、中国問題に詳しい平松茂雄は「近代社会では国際法に則った実効支配が問題」で、尖閣諸島は日本の領土にし、日本が実効支配しているから問題ないとしているが、「国際法に則っている」かは疑問視されるが、竹島は韓国が現在では「実効支配」しているのだから、ややこしいことになるようだ。

 ロシアのメドベージェフが大統領だった2年前に北方領土を訪問した。行く前に中国の胡錦涛国家主席と会い、領土問題について支持し合うという連携ができたと解説するのは中西輝政京都大学名誉教授。韓国はそれを見ていて、李大統領が「今だ」と竹島に上陸したのだと読む。

 竹島に李大統領が上陸したことも日本側の反発を招いたが、その後の、「(天皇は)韓国を訪問したがっているが、独立運動で亡くなった方々を訪ね、心から謝るなら来なさいと(日本側に)言った」発言は、私のような自称リベラル派でも怒り心頭であった。

 いくら支持率が落ちているからとはいえ、言っていいことと悪いことをわきまえるべきであろう。中国はもちろんだが、韓国と日本の溝は長く深い。私が最初に韓国を訪れたのは40年ほど前になるが、そのとき向こうの政府高官が、秀吉と加藤清正の朝鮮出兵によって韓国の歴史的建造物や重要な文書が焼かれたことを、つい昨日の如く怒り、私に食って掛かってきたことを思い出す。事の本質は領土問題ではなく、日韓双方の国民の中に根強くある嫌悪の情であろう。

 ちなみに文春の中の首都大学東京鄭大均教授の「韓国被害者アイデンティティには未来がない」を引用してみたい。

1234
ページ上部へ戻る

配給映画