トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 残された道はパチンコ営業だけ?

「もうパチンコ営業くらいしか……」小林幸子・美川憲一騒動の背景にある“興行ビジネスの崩壊”

sachikopro0825.jpg幸子プロモーション公式サイトより

 小林幸子と美川憲一。演歌界きっての大物歌手二人が苦境に陥っている。小林幸子は事務所内紛問題の果てに大手レコード会社・日本コロムビアとの契約を解除し、自主レーベル活動に移行。美川憲一も事務所独立騒動が収まらない。

 二人とも、所属事務所社長との関係悪化がクローズアップされているが、今回の騒動は人間関係だけで説明できるものではないという。音楽事務所関係者が解説する。

「二人が苦しくなった根本原因は、演歌歌手の食い扶持である興行収入が、ここ10年ほど下がり続けていることです。美川の場合はNHK紅白歌合戦に落選した影響も確かにあったが、近年は地方でどんな演歌公演を打ってもチケットがさばけず、料金を下げざるを得ない。不況のためにタニマチの多くが退場する中、各地の興行会社の経営も悪化しており、演歌歌手が受け取る出演料は減る一方です」

 全国での興行が不振である背景には、県や市などの自治体が運営するコンサートホールで定期的に開催されるコンサート出演料が目減りしていることも大きいようだ。

「“ハコモノ”の典型である公営のコンサートホールでは『市民にちゃんと利用してもらっています』というアリバイ作りもあって、県や市が補助金を出すコンサートが定期的に行われています。かつては歌手本人に渡されるギャラも良かったのですが、近年では予算削減のために補助金が激減。今ではギャラの高い演歌歌手はあまり呼ばれず、イルカや伊勢正三、太田裕美などのフォークや歌謡曲畑の懐メロ歌手が、安いギャラで出演するようになりました」(前出関係者)

 今回、小林幸子は日本コロムビアを離れ、独自にCDリリースとコンサート活動を行うという。しかし、多くの地方興行会社は、老舗である日本コロムビアと親しい関係にあるため、今後の小林の活動に協力するかどうかは大いに疑問だ。美川の場合は、そもそも興行不振が騒動の背景にあるため、新たにコンサートを企画するのも難しい。

「もはや二人に残された稼ぐ方法は、パチンコ店の営業くらいでしょう。二人ともパチンコ台やパチスロ機のキャラクターにもなっていますしね。しかし、パチンコ業界も景気は悪くなる一方で、有名人ゲストのギャラ単価は下がり続けている。二人がこれまでのような華やかな生活を維持するためには、パチンコ営業に専念するくらいの覚悟が必要です」(同)

 CDの売上不振に苦しむ音楽業界では、興行に軸足を置く演歌歌手は「しぶとい」と見られてきた。しかし二人の苦境は、地方経済の低迷とともに、興行ビジネスそのものが厳しさを増していることを伝えている。
(文=志波道夫)

最終更新:2017/01/05 17:30
ページ上部へ戻る

配給映画