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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 【鳥居みゆき×小明】対談

【鳥居みゆき×小明】小説とDVDとゾンビ映画と白ブタと永遠の女子高生についてのパラグラム

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小明 流血といえば、小説で、そっくりな双子が似ていないところを作ろうとリストカットする場面はジーンときました。

鳥居 本当に? 私、全然きてないよジーンと。『余った傘はありません』ってタイトルは、どう取る?

小明 読みはじめは双子が憎み合って「お前にやる傘なんてねぇよ」みたいな意味かと思ってましたけど、ラストまで読んだら違いました。意外とあたたかかったです。

鳥居 よかった、わかってくれて。私が思う『余った傘はありません』っていうのは、例えば、好きな人がいて、私だけが傘を持っている時に「一緒に入ろう」って言えない、ちょっとした心の歪みというか……私が人に対して素直になれない部分が込められています。

小明 やっぱり、ご自分がモデルになった話も多いんですか?

鳥居 なんかね、エッセイって自分を良いように書いちゃうけど、実は小説の方が自分が出ちゃうんだって。

小明 自分が考えていることを整理できて、セラピーにもなるって聞きますよね。小説の中で双子が互いに比べ合って、劣等感から「いい子でいなくちゃ」って追い詰められていく感じはよくわかります。鳥居さんも、お姉さんがいらっしゃいますよね。

鳥居 私、超デブだったの。おねぇは、変わらずキレイなままなの。読者モデルとかいろいろやってて。

小明 読者モデル! それって一番いいやつですよね。あえて女子アナを狙わない、欲のない美しさ。

鳥居 そう! そうなの! 一番モテるもん。そこと比較されて、白ブタって呼ばれてたから、私。

小明 白ブタ(笑)! 奇遇ですね、私もギャルの姉にガンハクトン(意味:顔が白い豚)って呼ばれてました! いつ、お痩せになったんですか?

鳥居 中2になって、背がいきなり伸びて、ちょうどいい感じになりました。よかったー。

小明 いい感じになっても、内面には比べてられていた時期の自分が根付いているから……。

鳥居 そう、暗いんですよね、結局は。すごい暗かったし、髪もどっちが前かわからないビッグフットみたいな感じで、人と目を合わせなくてもいいようにしてました。

小明 未確認動物状態だと、卒業アルバムもつらい感じになりそう。

鳥居 卒アルの集合写真って、目立っている人を重点的に良くしようとしてない? ずるいよね! 私、ひとりだけすげぇブレてるんだもん。あれ、ヒドイよ。でも、写真の上にひとりで載るやつも憧れる。

小明 私、昔それを狙って集合写真の日に学校休んだんですけど、上に別個で掲載もなくて、普通にクラスに存在しない人になってて悲しかったです。

鳥居 それはそれでいいね! ……ねぇ、あれって死んだら白黒?

小明 ひとりだけ白黒の黒縁にされても暗い気持ちになりますし、普通じゃないですか? っていうか、その枠には憧れちゃダメですよ! もう大人なんですから!

鳥居 でもね、私、高校生のとき、何があっても毎日学校行ってたの。で、卒業式だけ行かなかったの。だからね、私、永遠の女子高生なの。まだ、卒業証書もらってないの。すごくない? 「取りに来て」って言われたんだけど、まだ行ってないから、まだ女子高生のままなの。すごくない? 永遠のJK。

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