リアル・マカオ・ノワールの衝撃作『ルーレットシティ』がついに日本上陸!
#映画 #インタビュー
今週末より、全国順次劇場公開される衝撃作『ルーレットシティ』。2010年のシンガポール国際映画祭、マカオ国際映画祭で注目を浴びた衝撃作だ。
監督、脚本を手掛けるのは、中国や香港のテレビドラマ、映画などで活躍するシンガポール出身の若手俳優、トーマス・リム。第一回監督作品にもかかわらず、監督・脚本・主演という離れ業を演じ、さらに全編マカオ・ロケで製作されたもの。しかも、アジア圏の国際映画祭で続々と招待上映も決まっているばかりか、その勢いに乗ってシンガポール国内では早くも劇場公開を果たし、スマッシュ・ヒットを記録しているというから、目を見張るものがある。日本公開にあたって、来日したリム監督に話を聞いた。
日頃のトーマス監督は、作品とは対照的に物静かで穏やかな人物だ。やはり気になるのは、全編をマカオでロケしたということ。対岸の香港は映画の都として知られるが、マカオで映画と聞いてピンと来るものがないのは、筆者だけではないだろう。
リム監督によれば、基本的にマカオには映画業界というものがないという。
「たまに香港のジョニー・トー監督がマカオで撮影する映画などはありますが、私が知る限り、ここ5~6年の間にマカオで製作された劇場長編映画は、この『ルーレットシティ』だけです」
そんなマカオに日本人が抱くイメージといえば、本作のテーマにもなっているカジノ。シンガポール出身であるリム監督にとっても、やはり魅力ある題材だったのだろうか?
「マカオのカジノ業界が収益的にピークを迎えたのは2007年なのですが、たくさんの中国人が国境を越えてマカオにやってきました。それと同時に、カジノをめぐるさまざまな事件が起き、私もこの問題に非常に興味を持ち、取材をしたんです」
このように本作の第一の魅力は、日本と同じ東アジアに位置しながら、あまり情報の入ってこないマカオの、今まさに起こっている出来事を題材にしていることにある。しかも、テーマの魅力だけでなく、ストーリーも、とても第一回監督作品とは思えないほど練られている。いったい、どのような過程を経て、本作を完成に導いたのだろうか?
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事