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井口昇監督“異形”インタビュー

スマイレージが“コワイレージ”になっちゃった!? 思春期ホラー『怪談新耳袋 異形』を巡る不思議体験

iguchi_080704.jpg第4話『和人形』はスマイレージが全員集合。怯えた表情は
演技ではなく、廃屋での撮影中に恐怖体験をしたためだった……。

──背筋がゾゾッとするなぁ。では、最後に井口監督が感じる“恐怖”とは?

井口 得体の知れないもの、言葉で説明できないものって怖いですよね。幽霊はまだ人間の容姿をしているから理解できるんです。それよりもボクが怖いのは虫なんです。じっとしていて動かないと思っていたら、急にガサガサって動きだす。生理的にダメなんです。動物なのに、メタリックな硬い感じもイヤ。昆虫型エイリアンが襲ってくる『スターシップ・トゥルーパーズ』(97)は貞子より怖いかもしれません。幼い頃に壁に止まっていたゴキブリが急にバサバサバサって飛んできて、ボクの口に入りそうになったことがあったんです。その恐怖感が、いまだに忘れられない。もう、ゴキブリが口に入ったら絶望じゃないですか。思い出しただけで、ゾッとします。そのうち、映画のネタにするかもしれません(笑)。

──2011年に結婚された井口監督。家庭を持ち、守るべきものができると、また恐怖の感じ方が変わってきませんか?

井口 あぁ、それは大きいですね! 全然違ってきますね。自分だけ怖い目に遭うのは自分が我慢すればいいわけですけど、家族に災難が降り掛かるのがいちばん怖いことかもしれません。結婚して、意識が変わったかも。この間、妻と一緒に『クレイマー、クレイマー』(79)を観ていたんですが、すごく怖かった。以前は感動的なドラマだと思ってたんですけど、結婚してから観ると身につまされる内容で驚きました。まるでホラーですよ。ジャングルジムから子供が落ちるシーンもドキッとしますし、何より奥さんが唐突に家を出て行くシーンが怖かった。「もし、自分が同じ立場になったら、どーしよう!?」って。大人になって守るべきものができると、逆に怖いものが増えるのかもしれません。ホラー映画のネタって尽きないですね。
(取材・文=長野辰次/撮影=長谷英史)

●『怪談新耳袋 異形』
原作/木原浩勝、中山市朗 脚本/継田淳 監督/井口昇 出演/スマイレージ 和田彩花、福田花音、竹内朱莉、勝田里奈、田村芽実、中西香菜 
配給/キングレコード、アステア 8月11日(土)よりシアターN渋谷ほか全国順次ロードショー http://shinmimi-igyou.jp 
(c)2012「怪談新耳袋 異形」製作委員会

●いぐち・のぼる
1969年東京都生まれ。『片腕マシンガール』(07)は全米で爆発的なセールスを記録。セーラー服姿のヒロインが活躍するサバイバルアクションブームを世界中に巻き起こした。板尾創路主演作『電人ザボーガー』(11)は米ファンタスティック・フェスト・ファンタスティック部門監督賞を受賞。ホラーマスター・楳図かずおの人気漫画を映画化した『まだらの少女』(05)、『猫目小僧』(同)も、この夏、お薦めの逸品。その他、『おいら女蛮』(06)、『ロボゲイシャ』(09)、『富江 アンリミテッド』(11)など見逃せない傑作多数。今年劇場公開された『ゾンビアス』『はらぺこヤマガミくん』もDVD化されたばかり。期待のアクション女優・武田梨奈を主演に迎えた『デッド寿司』は、2013年お正月に公開予定だ。

最終更新:2012/08/24 15:50
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