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日刊サイゾー トップ > その他  > 野村、部下は罵倒し顧客には損
インサイダーなんてバレるほうが馬鹿

野村社員「部下は監禁・罵倒し、顧客に損さてもノルマは死守」

 こうした“詰め”は、その多くが密室で行われる。その理由についてA氏は、「もし訴訟沙汰になっても、誰も証人がいないという状況をつくっておきたかったのかもしれない」と話す。

 約2週間の高輪研修センターでの新人研修を終えると、いよいよ現場への配属だ。仮に営業として配属されたとしよう。週・月の単位で、目標、すなわち“ノルマ”の達成を命じられる。

 支店などの現場では、新人でもノルマが達成できなければ徹底的に詰められる。もっとも、課長代理クラスでもボロカスに上司から詰められるという。例えばこんな具合だ。

「おい。お前、今月数字できてないだろ。お前の給料分以上の働きはしろよ。それとも俺に何か恨みでもあるのか? 今、ここで言え。『今週中に必ず100万円の数字をつくります』と……」

ノルマのためなら、顧客なんてどうでもよい

 ちなみに「数字をつくる」とは「ノルマを達成する」という意味だが、大声でこのような調子で詰められると、何がなんでも達成しなければならない。そうすると営業は、リテール(個人)でもホールセール(法人)でも回転売買に走ることになる。

「リテール、ホールセールの営業では、株や投資信託の売買手数料が収益となる。なので、とにかく顧客にはありとあらゆるセールストークを駆使して、売買を頻繁に行わせる。もし顧客が保有したままなら、これから収益が出るだろうな……という株式銘柄を顧客が持っていても、とにかく売らせて別の銘柄への買い替えを勧める。そうすると売買手数料が手に入る。正直、顧客のことなんて何も考えていない」(A氏)

 営業が回転売買を行っているうちはまだいい。これが、直接営業に出ることのない上の役職クラスの社員だとそうもいかない。

「上の役職の社員でも、さらに上の役職者から詰められるので、自己保身から書類を改竄したり、今回発覚したインサイダーのように、“やってはいけないこと”に手を染めてしまう土壌がある」(A氏)

 では、インサイダーをはじめ証券業界で“やってはいけないこと”を行うことについて、彼らにはなにがしかの罪の意識や後ろめたさはあるのだろうか?

「ないだろう。上がやれと言ったことは、とにかくやらなければならない。評価されるのはあくまで数字であって、コンプライアンスやCSR(企業における社会的責任)といったものを意識する人間は野村にはいない」(A氏)

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