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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 「田切ネットワーク」の軌跡
「田切駅→伊那市駅 1hour Bicycle Tour “轟天号を追いかけて”」現地レポ【2】

「元旦から聖地巡礼したことも」20年も巡礼し続ける「田切ネットワーク」の軌跡

「残っていた当時の図面と写真をもとに制作しました。延べ10人、1週間ほどで、ここまで完成しました」

 と、作業に参加した鄭あきとしさんは話す。ライトもついて、中にはひしゃくでできたベルもつけるなど細かいギミックが光る復元電車。伊那まつりの際には、子どもを乗せて走る予定だとかで、さながら人車鉄道を彷彿とさせる。

 作業場所の伊那市立図書館では、現在伊那市の歴史の資料や写真展示も行われている。

 同館では、こんな手作り感あふれるイベントの一方で、地域の歴史を集積するデジタルアーカイブの作業も進んでいる。同館も制作に参加した江戸・明治・大正・昭和のデジタル古地図上にGPSを使って現在地を表示し、当時の風景を見ることができるiPhoneアプリ「高遠ぶらり」も提供中だ。

なんだかわからんが、やたらと女子の参加率が高く驚く。20代も多かったし……


この日ばかりは、押し放題のスタンプも大盛況だ

「サービスを提供するのではなく、地域の住民と一緒になって作っていくというスタンスで作業を行っています。デジタルアーカイブも、地域の皆さんに呼びかけて、昔の写真を提供してもらっているんです」

 と同館の館長平賀研也さんは話す。町おこしといえば、何かと予算を大量につぎ込んで大々的にやる(そして、大失敗する)ものが多いのだが、これらの試みは、とてつもなく地に足の着いた感じがする。やはり、その背景には文化レベルの高さが感じられる。

「伊那には幕末に(「北の松代、南の高遠」といわれた)高遠藩の藩校・進徳館が開設され、多くの人材が生まれました。その後も、大正時代には信州白樺派の中心地にもなりました。今でも『教育県』の中心として、総合学習のメッカにもなっています」(平賀さん)

 なるほど、過去の文化の蓄積が人口も少ない地方都市とは思えない、独特の香りを醸し出していることは間違いない。

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