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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 「田切ネットワーク」の軌跡
「田切駅→伊那市駅 1hour Bicycle Tour “轟天号を追いかけて”」現地レポ【2】

「元旦から聖地巡礼したことも」20年も巡礼し続ける「田切ネットワーク」の軌跡

 もとは絶好の撮影ポイントとして、鉄道愛好者たちに知られていた田切駅。それが、アニメになったことで新たな人々を呼び込み、新しい形で栄えたというわけだ。そんな古くからの田切駅の歴史を伝えるのが、今は「田切ネットワーク」が保管している「田切のたぬき」である。

こちらが、今では秘蔵の品となっている「田切のたぬきである」

「『究極超人あ~る』以前から、田切駅では国鉄職員の方が駅スタンプを自作して設置したりしていました。そうした中で、光画部のモデルになった人が置いていたのが“田切のたぬき”だったんです。長いこと駅に設置されて名物になっていたんですが1984年に田切駅が現在の場所に移転することになり、捨てられてしまっては困るので、回収されて、その後は設置せずに保管されてきました」(中尾氏)

 『究極超人あ~る』に登場したことで、従来の鉄道愛好者だけでなく、多くのアニメファンも訪れるようになった田切駅。「田切ネットワーク」は、飯田線を使ってロールプレイングをする列車や、車内即売会、コスプレなど、さまざまなイベント列車の運行も行った。だが、そうした中でも目を見張るのは、現在も年3回行われている、田切駅の清掃活動だ。鉄道愛好者からアニメファンまでがホームをホウキで掃き、待合室の窓ガラスを雑巾で拭く光景は、地元の人々にとって驚きだった。

かつてのイベント列車の際につくられたTシャツ。一番右のは折しもオウム事件の頃で大変なことに……


メンバーらが制作した数々の同人誌も、並んだ


次々とやってくる見学者で店内は大混雑に

「大みそかに田切駅に大勢で泊まって、元旦の朝から、寒い中を冷たい水で雑巾を絞って、窓ガラスまで拭いていたこともありました。私らは、駅にホウキを持っていったこともないのに、驚きました」

 と、今回の会場を提供してくれた「元・下村酒店」のご主人は語る。かつては、田切駅での駅寝も一つの楽しみ方だったそうで、ある時は線路に足を投げ出した格好で寝てしまい、あわや大惨事という人もいたのだとか。まさに、若さゆえの過ちといったところか。

 そんな「田切ネットワーク」の無鉄砲さを象徴するのが、『究極超人あ~る』OVAに触発されて制作したスタンプツアーのポスターだ。作品中で、登場人物たちが参加する西園寺ツーリスト主催のスタンプツアー。作中では、この告知ポスターが一瞬だけ画面に映る。そこで「田切ネットワーク」の面々は、このポスターを再現しようと、ビデオを一時停止してテレビの画面にトレーシングペーパーをあててなぞり、手書きで再現したのだ。

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