小さくてもいいじゃん!豊胸手術で乳がん検診が受けられない?
#Business Journal
「受けられる自治体もあるはずですよ? 患者さんが将来、どの街に住むかまでは予想できませんからねえ。なんでしたら紹介料はかかりますけど、検診をしてくれる病院を紹介しましょうか?」
水掛け論めいたやりとりに嫌気が差した亜由美さんは、乳がん検診をしてくれる医療機関を自力で探し始めた。
しかし、近隣の病院ではどこも「バッグを破損させるからマンモグラフィーは使えない」というところばかり。中には「豊胸手術をした胸の触診はできない」と断る病院も。
この件について、美容クリニック経営者のA氏は次のように語った。
「豊胸バッグが入っているとマンモグラフィーを使えなくなることは、医師なら誰でも知ってますよ。でも、手術を勧める立場としては、あえて言わないんです。手術件数を増やさないと経営が成り立ちませんから」
医療機関の冷たい対応
20代の頃、豊胸手術を受けた元モデルの由紀恵さん(仮名、50代)は、乳がん検診を受けたことがない。
「マンモグラフィーが使えなくても、触診とエコーで検診はできるんですよね。それだけでも受けようかなと思うけど、医師に豊胸手術のことを言うと、態度が変わるっていうか、冷たくされるっていうか……。『大事な身体を傷つけて』みたいに言われたこともあったんです。ただでさえ整形をカミングアウトするのは辛いんです。医師の態度には本当に傷つきました。乳がんは怖いです。でも、あんな不愉快な思いをしてまで検診を受ける勇気が、出ないんです」
豊胸手術に対する、医療機関の“偏見”とも言える冷たさを指摘する女性は少なくない。
出産後、バストアップのため手術を受けた雅子さん(仮名、30代)もそのひとりだ。
「病院で『豊胸手術をしてますが、乳がん検診を受けられますか?』と聞いたんです。そうしたら『おっぱいの整形? ええっ?』と聞き返され『そんなの診たことないですよ』とバカにしたように言われたんです。田舎のせいか、そんな病院ばかり。なんだかすごく惨めになって、検診は受けていないんです」
前出の亜由美さんは、ACジャパンのテレビCMで乳がん検診の必要性を熱く訴える某財団法人に電話をかけ、検診を行ってくれる医療機関について聞いてみたが、
「豊胸手術した人の乳がん検診? どこで受けたらいいんでしょうねぇ。もしかしたら、ここならやってるかも」
と、4~5カ所の医療機関を教えられたものの、いざ問い合わせをしてみると1カ所を除いて乳がん検診自体を断られた。そしてその1カ所に行ってはみたものの、やはりマンモグラフィーは使えず、エコーと触診のみだったというのだ。
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