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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 『スターシップ・トゥルーパーズ』最新作で積年の到達を見せた荒牧伸志監督インタビュー
“パワードスーツ”との出会いが人生を変えた!? 

『スターシップ・トゥルーパーズ』最新作で積年の到達を見せた荒牧伸志監督インタビュー

――本作のオープニングのせりふ「医者にはわかるまい。これは武者ぶるいだ」は、『宇宙の戦士』の冒頭を思わせます。

荒牧 言葉遣いは現代風に脚本家のフリント・ディルがいじっていますけど、原作小説からの完全な引用です。今回、基本的にはポール・バーホーベン監督が作った第1作の世界観に則った形にしていますが、やっぱりどこかに原作ファンとしてのこだわりは残しておきたいという想いがあったんです。ちょうど、ソニー・ピクチャーズ側のプロデューサーから「冒頭シーンを『宇宙の戦士』っぽくできないか」とオファーが出ていたので、「ぜひやりましょう」と。原作者であるハインラインへのリスペクトを、改めて作品の中に刻もうということですね。予告編を見た人は『宇宙の戦士』だと気づいてくれているようです。「あれ、スタジオぬえのイラストとは違うな」と思ってもらっても構いませんし、もちろん第1作からのファンにも観てほしい。いろんな角度から楽しんでもらいたいですね。

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――荒牧監督といえば、メカデザインへのこだわりで有名。序盤から登場するパワードスーツですが、思ったよりもシンプルで驚きました。

荒牧 原作小説でもそうなんですが、パワードスーツは全兵士が着用しているもの。マスプロダクトっぽい感じにしたかったんです。あえて1着1着をヒーローっぽくしませんでした。軍隊みたいに見せたかったんです。その分、後半に登場するマローダー・マーク2はヒーローっぽい押し出し感を打ち出しています。『スターシップ・トゥルーパーズ3』のラストにもマローダーは登場していたので、今回は実写版に負けないものを考えました。メカデザインはゲーム業界でキャリアを積んだ臼井伸二さんにお願いしたんですが、それが良かったように思います。自分が直接手掛けると、どうしてもスタジオぬえのイメージから離れられなかったでしょうから。

■鬼気迫るクライマックス、その製作内情は?

――モーションキャプチャーで撮影されたリアルなフルCGアニメを観ていると、実写とアニメの境界がなくなっているように感じます。

荒牧 どういう風に観ていただいてもいいと思います。キャプチャー技術はハード面もソフト面もずいぶん向上しています。でも実際の仕上げは、アニメーションのスーパーバイザーという担当者がいて、CG臭さが気になるシーンがあると物凄く細かくチェックを入れるんです。人の体の基本的な動きはキャプチャーで表現できるんですが、手首・指先・目線などの動きは後から付けています。「指の角度をあと5度下げてください」「ほんのちょっと戻してください」とスーパーバイザーの指示が非常に細かい(苦笑)。そんなに細かく直しても……と思ったりもするんですが、仕上がった映像を確認すると、すごく自然になっているんです。キャプチャーの動きをそのまま取り込んでいるわけではなく、とても細かいアニメーション的作業も要していますね。

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