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元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第146回

「民主党は女子高生のようなオッサンだらけ」気鋭の論客が政治家の幼児性を一刀両断

 もともとタイ北部の古都チェンマイは、日本人の年金生活者の長期滞在先として人気があるところだ。ロングステイ先としてはマレーシアに次いで2位で、ハワイやオーストラリアを凌いでいる。

 家賃は、中クラスのコンドミニアムで日本円で約1万8,000円ほど。タイ風焼きそば「パッタイ」が100円前後、夕食を少し豪華にしても1,000円から1,500円ほどだというから、月5万円程度で暮らせるようだ。

 ところが、過去4年間で年間15~20人程度だった日本人死者の数が今年は、6月までで14人になったというのだ。

 3年チェンマイで暮らしていた63歳の男性が孤独死した。現地在住15年になる85歳の老人は「理想は西行のように野垂れ死に」と笑う。部屋をサイケデリックに飾っていたホモセクシュアルの71歳の男性は、死後しばらく経って発見された。蓄えがないため、脳梗塞で倒れても満足な治療を受けられずに亡くなった72歳の老人。

 チェンマイの日本人関係者がこう語る。

「今後、チェンマイで日本人の孤独死が急増していくことは間違いありません。そのとき迷惑するのは周囲の人たちです。海外で暮らすなら、最後のことまで考えてもらいたい」

 年金生活者のパラダイスだったチェンマイにも、超高齢社会の問題が集約された「プチ日本」が築かれつつあるようだと、筆者のジャーナリスト出井康博は結んでいる。

 グランプリに推した「『女子高生』オジサン化で『B層』の社会学」はタイトルこそ悪例の見本みたいだが、筆者の適菜収(てきな おさむ)の文章はすこぶる切れ味がいい。

 彼は30代後半で、フリードリヒ・ニーチェを解説する著作を発表している若い哲学者らしいが、私は知らなかった。だが、一読して面白い論客が出てきたと感じる。

 B層とは、平成17年の郵政選挙の際、内閣府から依頼された広告会社が作った概念で「マスメディアに踊らされやすい知的弱者」を指す。

 適菜は、渋谷で出会った「早く風呂に入って寝てぇ!」「肉が食べたい」「腰が痛い」と話しているオッサンみたいな女子高生3人の話から入る。頭はハゲかかっているのに、とにかく若く見られたくてしょうがない、気分が子どものままの大人が増えていて、しかも、それが非難されるのではなく、尊重されるような世の中になっていると“嘆く”。

 そうした意味で、民主党は女子高生ようなオッサンだらけだとして、こう批判する。

「鳩山由紀夫の頭の中は、かつてのコギャルやチーマーとそれほど変わらないのではないか。(中略)鳩山はオモチャを与えられた幼児のように、わが国を振り回し、最後には放り投げた」「菅直人は、自著で独裁と反文明主義を賛美する狂人だった。自衛隊の指揮監督権を自分が持っていることも知らず、元財務大臣なのに高校生レベルの経済知識もなかった」「小沢一郎は原発事故後、秘書と真っ先に逃亡しようとしていたという。議論が苦手で癇癪を起こしたら作ったものを壊すだけ。『50歳を超えても30代に見える生き方』というアンチエイジングの本が売れているが、彼らは60歳を超えても10代に見える生き方を貫いている」

 言葉が幼くなって、自分の立場をわきまえない大人の代表として、橋下徹大阪市長を評したのが、以下の箇所である。

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