大阪市職員語る「橋下市長は手柄横取りで、ミスは職員のせい」
#橋下徹 #Business Journal
どちらのケースでも、法と手続きを守るべき市役所において、公正で客観的な調査を行わずして自己申告のみで懲戒処分を免れたり、受けたりすることになるからである。とても行政機関として望ましい姿とはいえない。
「本当にきちんと調べるのならば、職員を裸にして、公衆の面前で徹底的に調べるしか方法はない。それこそ人権問題だ。でも、橋下市長なら職務命令と称してやりかねないね」(A氏)
ミスは必ず他人のせい
橋下市長は、就任以来、こうした職員へのアンケート調査に熱心だ。とりわけ選挙時、平松邦夫前市長寄りとされた市の労働組合は目の敵である。
入れ墨調査の前には「労使関係に関するアンケート」を実施。これは「もっぱら組合潰しを目的としたものであることは、いうまでもない」(A氏)との声も多い。
その調査内容は、市職員に労働組合に「加入しているか否か」「活動に参加したことがあるか否か」のほか、「選挙で投票依頼をされたことがあるか否か」を問う内容となっており、これにとどまらず「誰に誘われたか」をも問いただす内容だ。
しかしこの調査は、結果が出ることはなかった。その調査内容が、憲法上の「内心の自由」をも侵す恐れもあるとの声が法曹界や労働界に広がり、問題視されたためだ。これを受けて、今年4月には、この調査用紙は破棄されるに至った。
さて、この調査に「正確に回答しなければ懲戒処分もあり得る」と言った橋下市長だが、「野村修也(大阪市特別)顧問に任せてあるので問題ない」と自らの責任については回避する言動を見せている。
橋下市長は「器のちっちゃい」男
こうした橋下市長の責任回避姿勢は、これにとどまらない。日常での業務でも、失敗したら部下や外部のせいになるという。
よく知られたところでは、昨年の市長選の際、対立候補だった平松前市長支援目的で市交通局職員が「知人・友人紹介カード」なるリストを作成、配布・回収したとされる問題だ。
このリストは「市と組合が組織ぐるみで市長選に関与していたことを裏付ける資料である」として、橋下市長率いる大阪維新の会所属の杉村幸太郎大阪市議が、市議会などで追及した。しかし、後にこのリストは、市交通局職員が捏造したものだと発覚した(捏造リスト問題)。
これについて橋下市長は「市長として、リストを捏造した職員の行為は問題であり謝罪するが、この問題を追及した大阪維新の会、また杉村市議になんの問題もない」「杉村市議の指摘があったからこそ、捏造リスト問題が発覚した。市議会は健全である」との見解を示した。
平たくいえば「市長としては市職員が悪い。でも市議会で追及した杉村市議は悪くない。だから大阪維新の会代表である自分は悪くない。市民の民意を受けている自分は悪くない」ということだ。
「責任はとにかく回避。ミスは職員のせい。職員がミスしたら、とにかく怒鳴って吊るし上げる。この前の市長記者会見で女性記者にかみついたときと同じ対応。市職員はみんな『市長は、なんちゅう器のちっちゃい男や』といっている」(A氏)
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