同性愛は6兆円市場?IBMも積極的にLGBT採用のワケ
#Business Journal
インタビューにマツコ・デラックスが登場し、社会に対して望むものは「必要なのは法整備。特別なことをするのは逆差別につながるが、基本的人権は与えられるべきだ」として、パートナーへの相続ができるような法整備と、男女間に限定した婚姻というシステムの背後にある保守的な「家」制度の見直しを指摘する。今回の第二特集は14頁の特集ながら読ませどころがある。「週刊東洋経済 6/23号」の第二特集『携帯電話は安全か?』以来の独自調査の記事として評価したい! と思いきや、ライバル誌「週刊ダイヤモンド 7/14号」の第二特集もなんとLGBT特集なのだ。
第二特集はそろって「LGBT」特集!?横並び対決はダイヤモンドの勝利
「週刊ダイヤモンド 7/14号」の第二特集は『性的マイノリティ「LGBT」 国内5.7兆円市場を攻略せよ』だった。
こちらは、米国の動きを中心に紹介している。米国のLGBT市場の規模は約77兆円、日本のほぼ10倍だ(英国は約7兆円という推定)。米国の企業はこの巨大な市場を取り込もうとマーケティングを競い合っている。大手百貨店は同性愛者に対し差別的扱いをした店員を解雇。さらに不適切な発言をした選手に対し、NBA(米プロバスケットボール)は罰金を科するなど厳正な処分を行った。金融機関も、将来結婚しないカップル専門のファイナンシャルアドバイザーを育成する……といった具合だ。
米国に進出している日本企業もLGBTマーケティングに躍起だ。富士重工のスバルは、広告にレズビアンのテニスプレーヤーを起用。以来、あるスバル車は「レズバルス」と呼ばれ、たいへん人気だという。
一方で、消費者側もLGBTに対する企業の取り組みや考え方を指標として点数化し、バイヤーズガイドを作成するなど、両者間に緊張感のある空気が流れている。たとえば、「レズバルス」で人気のスバルは85点、LGBTマーケティングを行っているトヨタ自動車は100点満点、同性パートナーへの福利厚生や保険制度などが充実していない日産自動車は30点と低い。こうした緊張感がこれらの社会的な知名度を高めているとして、同誌には「LGBTは普通の生活者 非差別を掲げる企業は多くの支持を集める」とゲイであることをオープンにしている大阪・神戸米国総領事パトリック・J・リネハン氏のインタビューも掲載されている。
国内に目を向けてもディズニーランドやパークハイアットはLGBT向けの同性結婚式を受け入れるなど、企業にとって大きな動きになりつつある。
ところで、この時期になぜ、LGBTを特集したのか。実は、6月はLGBTのプライド月間として世界各地で盛大なパレードが開催されていた。そのうえ、5月には、オバマ大統領が歴史上初めて、同性結婚への支持を表明している。こうした世界的な動きから、この時期に特集が組まれたのだろう。
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