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「ダイヤモンド」vs「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み

同性愛は6兆円市場?IBMも積極的にLGBT採用のワケ

 こうしたシステムは「ダイヤモンド」だけではない。「東洋経済」も同様だ。今週号を開くと広告特集ばかりなのだ。 『広告特集 ムダをなくす我慢と無理のない省エネの進めかた 制作・東洋経済広告企画制作部』(11頁)、『事後レポート ASEANへの不動産・インフラ投資フォーラム 主催・新日本有限責任監査法人』(4頁)、『広告特集・大学総合ガイド2012 制作・東洋経済広告企画制作部』(13頁)、『ワールド・トラベル特集 制作・東洋経済広告企画制作部』(9頁)、『インド・東南アジア 戦略フォーラム2012 制作・東洋経済広告企画制作部』(4頁)と、「制作・東洋経済広告企画制作部」のスポンサー頼みのパブリシティ記事ばかりなのだ。これでは、第一特集の住宅特集も業界のPRと疑いたくもなるだろう。

 しかし、出版不況の今、これほど広告に身を売ってまで雑誌を出し続けるのは、世の中に訴えたい記事を発信し続けるためといえるかもしれない。そう好意的に解釈したくなるのが、第二特集だ。

 今回の第二特集は『知られざる巨大市場 日本のLGBT』だ。LGBTとは、女性同性愛者(レズビアン)、男性同性愛者(ゲイ)、両性愛者(バイセクシュアル)、そして性転換者(トランスジェンダー)、それぞれの頭文字をとった性的マイノリティを指す総称だ。

 アメリカの人気キャスターがゲイであることをカミングアウトし、今年2月、オバマ米国大統領は結婚を男女に限った連邦法について憲法違反との判断を示した。これにより、同性婚の是非は今年の大統領選の争点の一つにもなりつつある。英国政府の調べによれば英国人の6%がLGBT、日本では公的機関から発表されたデータはないものの、約4%という説が一般的だ。国内市場規模は6兆6000億円規模(ポータルサイト運営会社のパジェンタ社、2006年調べ)ともされる最後の巨大市場ともいえるのだ。日本企業はLGBTに対し差別的な取り扱いをする一方で、ゴールドマン・サックスやIBMといった大手外資企業はLGBT向けリクルーティングに力を入れている。

 というのも、将来を案じて一般の学生よりも勉強に励む。また、東京大学や早稲田大学は大学公認のLGBTサークルもあるために、進学の目標としやすい。「個」を磨き、自分の視点を持っている。日本よりも生きやすい国に憧れて、語学習得に注力する。

 ……といった点からLGBTは能力が高く、日本企業が求めている理想のグローバル人材ともいえるのだ。ただし、現実的には、とある研究によれば、異性愛者ではない人の自殺未遂率は、異性愛者の約6倍にも上るという。「性的志向を隠さなければという強い抑圧で精神的に追い詰められ、生きづらさが増幅され、慢性的なストレスになっている」と見られている。

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