
『ムカデ人間2』世界に繋げよう、ムカデ人間の輪! 谷ナオミを崇拝する怪優さん登場です
#映画 #インタビュー
ローレンス オーディションで、トム監督と妹であるプロデューサーのイローナ・シックスに初めて会ったんだけど、3人ですごくフレンドリーな雰囲気で盛り上がったんだ。ボクの場合、オーディションってだいたい15分くらいで終わるのに、このときは1時間くらい続いたよ。オーディション中にトム監督はストーリーの全貌を語ってくれたんだ。こーゆー映画を作りたいんだ。あーゆータイプの映画? いやいや、そーゆー映画じゃなくて、こーゆー映画だよ、みたいに映画マニア同士の会話をずっとしていたよ(笑)。それから、マーティンをどういうキャラとして演じるかということも話し合ったよ。マーティンはあんなこともする、こんなこともすると。そういう話を聞いた上で、マーティンが大事にしていたスクラップ帖を母親に見つかってしまう場面、マーティンがムカデ人間をレイプしてしまう場面などを、ボクはその場で演じたんだ。ものすごく役に集中して演じたよ。トム監督はボクがどこまで演技にトライできるのかを面白がり、またボクも俳優としてのやりがいを感じる時間でもあったんだ。ボクがマーティンを演じている間、トム監督もイローナも「ワォ!」「ワォ!」の連続だった(笑)。とても奇妙で不思議な時間だったけど、これまでの俳優人生の中でサイコーのセッションだったな。
──ストーリーの全貌を知って「こりゃ、前作よりもヤバい映画だな」という考えはよぎらなかった?
ローレンス 確かにショッキングな作品であることは認めるよ。でも、ボク自身が驚くことはなかったし、完成した作品を観てショッキングな内容の中にちゃんとしたテーマがあることが分かったよ。「暴力的な映画だ」「映画をマネする人間が現われたら、どうするんだ」とか英国のタブロイド紙は騒ぎ立てるわけだよ。それって、すごくバカげた論議。でも、そういったマスコミや世間の風潮をきちんと風刺するには、肝心な映画が誰にもマネできないくらい究極のものにならなくてはいけなかったんだ。そして、この映画はその究極にまでたどり着いた作品だと思うな。究極の映画に俳優として参加することができて、とても誇りに思っているよ。
──なるほど、“誰にもマネできない映画”ですか。トム・シックス監督はヨーロッパ各国で監督作が上映禁止になるなど波紋を呼んでいる人物だけど、ローレンスさんから見たトム監督はどんな人?
ローレンス おそらく、大勢の人たちがイメージしているような人間とは、実際のトム監督は違うと思うよ。「あれだけ問題になっている映画を撮っている人間だから、本人も問題があるに違いない」と多くの人はそう思い込みたいんじゃないかな。確かに、トム監督はとてもショーマンシップのある人だから、その部分を本気で受け止めてしまった人もいるみたいだね。でも、トム監督はとっても情熱的な人で、すべての物事に熱心に取り組む人。映画だけでなく、人生のすべてにおいて情熱を持って接している。直接本人に会えば、嫌うことができない人だよ。トム監督の撮影現場で過ごすことができたのは、ステキな体験だったしね。監督としてのトムは、すっごくハイアートな世界、それとは真逆の超グロテスクなもの、その二つをうまくミックスできる人。『ムカデ人間』シリーズの後、どんな新作を撮るのかとても楽しみなんだ。これから、さらに注目を集める監督であることは間違いないよ。
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