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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > ソニー“定額聴き放題”の懸念

「鍵はエイベックスの参加?」待望のソニー定額聴き放題サービス開始も、懸念される“邦楽不足”

musicnlimited.jpgソニー公式サイトより

 ソニーがクラウド型の音楽配信サービス「Music Unlimited」を7月3日より開始。月額1,480円を支払えば、1,000万曲を超える楽曲がPCやスマートフォンで視聴できるようになる。世界的に主流となりつつある定額聴き放題サービスの日本上陸は朗報であるが、現状の楽曲ラインナップは洋楽が中心で、邦楽曲は数万曲にとどまる。今後、邦楽曲がどの程度サービスに加わるかという懸念もある。

 そもそも、ソニーが「Music Unlimited」の導入を急いだ背景には、同社などが出資する「レコチョク」に代表される音楽配信会社の低迷がある。スマートフォンの急速な普及に伴い、従来型携帯電話向けの配信サービスの売上高が2010年後半より急速に下降。楽曲提供元であるレコード会社の経営を揺さぶる事態となっている。

「エイベックスなどの上場企業はすでに決算資料で明らかにしていますが、今年に入ってCD販売を含む音楽事業の売り上げが、各社とも前年比20パーセントほど落ちています。これまでCDの売り上げ減少を補ってきた音楽ダウンロード販売の落ち込みが、大きく響いていることは間違いありません」(レコード会社関係者)

 音楽配信事業の新たなビジネスモデルを探る必要に迫られたレコード会社各社は、ソニーがすでに世界16カ国で展開中の「Music Unlimited」に乗る形で、クラウド型サービス参加へと舵を切った。しかし、クラウド型のサービスから得られる楽曲使用料は「よく聴かれた楽曲でも数十万円程度。大ヒットクラスでも数百万円止まり」(同)と、ヒットとなれば数億単位の売上高が見込めた従来型の配信モデルとは収益のレベルが異なる。そのため、邦楽曲の原盤権を持つ音楽事業者(レコード会社や事務所など)が「Music Unlimited」に対し、どのような条件で楽曲提供に踏み切るかが今後の焦点となる。

「ソニーはビートルズをはじめとする過去の音源の権利を多数保有しており、グループ全体では定額聴き放題サービスでも収益を上げる可能性は高い。しかし、英語の楽曲に比べると、対象マーケットの狭い邦楽曲ではダウンロード数も限られるため、事業者の収入は相対的に低くなる。今後、邦楽曲のラインナップを増やすためには、邦楽事業者向けに高いレートを設定するかどうかなどの課題が山積みです」(同)

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